サマー2000シリーズの第4戦、GⅡ札幌記念(札幌・芝2000m)が8月16日に行なわれる。

 夏競馬唯一のGⅡ戦ということもあり、これまでも秋のGⅠ戦線に向けてここを始動戦とする実績馬たちが多数集結してきた夏の大一番。

過去には、エアグルーヴ、セイウンスカイ、ハープスターといったスターホースたちが北の大地でその強さを見せつけてきた。

 そして今年も、アドマイヤテラ(牡5歳)やショウヘイ(牡4歳)など、GⅠでの好走例がある実力馬が出走。ハイレベルかつ、熾烈な争いが期待されている。

 しかしながら、力を秘めた実績馬たちが常に結果を出してきたわけではない。とりわけ近年は伏兵の台頭が頻繁に見られ、波乱含みのレースとなっている。デイリー馬三郎の吉田順一記者もこう語る。

「秋の大舞台に向けて、一線級の馬たちが参戦するようになって久しい夏の注目の一戦。かつては、そういった力のある人気馬がしっかりと期待に応えてきた印象が強いです。ですが、ここ最近はさっぱり。過去10年の結果を振り返ってみても、1番人気は0勝、2着3回、3着3回、着外4回と振るいません」

 おかげで、過去10年の3連単の配当はすべて万馬券。特に昨年は1番人気のホウオウビスケッツが馬群に沈む一方で、10番人気のトップナイフが勝利し、2着に2番人気のココナッツブラウン、3着に13番人気のアラタが入って、130万7650円という超高額配当が飛び出している。

 まさにひと筋縄ではいかない一戦となっているが、その要因はどこにあるのか。

吉田記者はこんな見解を示す。

「近年は、好走するタイプの馬のステップレースがまちまちで、傾向がつかみにくい状況にあります。また、先を見据えた有力馬の仕上がり具合や、ここがピークにある馬の存在など、その見極めは決してたやすくありません。加えて、レース当日の天候やコースコンディションなども十分に吟味する必要があり、予想を難しくしているのでしょう」

 そうなると、断然の存在がいない今年も難解なレースであることは間違いなく、思わぬ波乱が起こってもおかしくない。そんな一戦を読み解くうえで、まず重要なのはコース状態。その点について、吉田記者はこう解説する。

「開催4週目となるAコースは、さすがに各コーナーの内側は芝の緑の部分が減ってきました。ことさら3~4コーナーは砂じんが結構飛んでおり、傷みは激しそうです。それでも、直線はそこまで悪くなく、3週目の先週までは内ラチを開けることのないレースがほとんどでした」

 そうした馬場状態も踏まえて、今年はどういった馬が狙い目となるのか。吉田記者が続ける。

「過去10年の勝ち馬をチェックすると、芝2000mのイメージが強い馬が多く、昨年のトップナイフをはじめ、一昨年のノースブリッジ、3年前のプログノーシスと、いずれも2000m戦にこだわってきた同距離のスペシャリスト。さらに4年前、ここを勝ったあと、GI大阪杯(阪神・芝2000m)を制したジャックドールも、勝ち鞍はすべて2000m戦でした。

となると、芝2000mという舞台で良績のある馬、その印象が強い馬に目を向けたいですね」

 そこで、吉田記者は2頭の穴馬候補をピックアップした。1頭目は、前々走のGⅡ金鯱賞(3月15日/中京・芝2000m)を快勝しているシェイクユアハート(牡6歳)だ。

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「有力馬の調教具合を精査したうえで、展開や馬場状態、そして芝2000mへのイメージの強さを考慮すると、狙い目として真っ先に浮かんだのがこの馬。実際、芝2000m戦に関しては、全30戦中20戦に出走して5勝、2着7回、3着4回、着外4回と好成績を残しており、ベストな舞台と言えます。

 年齢を重ねるとともに地力が強化され、直近4戦でGⅢ中日新聞杯(中京・芝2000m)、金鯱賞と重賞を2勝。左回りでの強さが際立っているかもしれませんが、右回りでも全21戦で3勝、2着7回、3着4回、着外7回と悪くありません。

 追い切りではモタれることが多い馬ですが、函館のウッドコースで追われたここ2週はスムーズな口向きでシャープなキレ味を披露。詰めて使ったほうが状態は上がりやすく、およそ3カ月ぶりだった前走のGⅠ宝塚記念(14着。6月14日/阪神・芝2200m)時よりも、約2カ月ぶりとなる今回のほうが上積みも見込めます。

 今回の相手関係なら、実力的にもヒケを取りません。3つ目の重賞タイトルを手にする可能性も高いでしょう」

 吉田記者が目をつけたもう1頭は、オニャンコポン(せん7歳)だ。

「大穴なら、この馬です。

前走のGⅢ七夕賞(7月12日/福島・芝2000m)では、15番人気ながら3着と好走。やや重の馬場でしたが、1分58秒5の走破時計で駆けている点も注目です。

 ハンデ戦の七夕賞では、もちろん軽ハンデ(54kg)の恩恵を受けたことは確かですが、この中間の攻め気配も活気があり、元気いっぱい。全3勝はすべて芝2000m戦。別定戦でも穴で狙いたい一頭です」

 夏の北海道で行なわれる"スーパーGⅡ"。激戦を制すのはどの馬か。ここに挙げた2頭がアッと驚く結果をもたらしても不思議ではない。

土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

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