乃木坂46の中西アルノ
撮影/幸田昌之

8月20日~23日の4日間、乃木坂46「真夏の全国ツアー2026」の最終公演が、東京・明治神宮野球場公演で行われた。新キャプテン・菅原咲月や初センター・一ノ瀬美空を中心に、乃木坂46が駆け抜けた2026年の“真夏”がどんな熱を帯びていたのか━━『BRODY10月号』では「変革の夏」と題して特集を組み、最終公演前の彼女たちの言葉を記録した。

今回はそんな彼女たちのインタビューを一部抜粋して掲載。グループの中心的存在として、この夏を駆け抜けた一ノ瀬美空・菅原咲月の2人について、中西アルノに語ってもらった。

寄り添う咲月と甘える心月

──「真夏の全国ツアー2026」もいよいよ終盤を迎えましたが、ここまでを振り返ってどんなことを感じていますか?

中西アルノ(以下、中西):今回の全国ツアーは、同期の一ノ瀬美空が座長を務めて、同期の菅原咲月がキャプテンとしてグループ全体をまとめてくれています。これまで以上に私たち5期生メンバーが大きな役割と責任を担っていて、先輩たちの後ろをついていくだけの夏は、いよいよ本当に終わったんだな……と感じています。

──なるほど。“終わりの季節”については、のちほど詳しく聞かせてください。初座長を務める一ノ瀬さんの印象は?

中西:美空は、5期生の“夏女”代表といいますか、太陽のような明るい笑顔と爽やかな雰囲気が印象的で、まさに夏が似合う女の子というイメージがあります。ただ、今回のツアーの地方公演は「奪われた乃木坂46の夏曲を取り戻す」というコンセプトがあったので、美空が座長で夏曲がないセットリストにするのは、かなり攻めているなと思いました。

──セットリストに『夏のFree&Easy』や『ガールズルール』が入っていない?

中西:1曲ずつ夏曲を取り戻していくので、毎公演には入っていなかったです。

──チャレンジングな企画ですね。一ノ瀬さんが座長として奮闘する姿をどうご覧になっていますか?

中西:全力で取り組む姿を間近で見ていて、やっぱり大変そうだなと感じます。美空はずっとセンターというポジションに憧れを抱いていて、「なりたい」とはっきり言葉にしてきた子だから、私も最初は「やったれ! やったれ!」と後押しをする気持ちでいたんです。

でも、やっぱり立ってみないとわからないセンターの重圧というものがあって、もがいている姿を見かけます。ただ、その目に見えない重圧と格闘しながらも、持ち前の気合いと根性で乗り越えている印象もあるんです。美空は熱血系なので。

──一ノ瀬さんは熱血キャラなんですか?

中西:意外と体育会系なんですよ。

──そんな一ノ瀬さんに対して5期生メンバーたちはどのように接していますか?

中西:座長はMCや煽りを考えなければいけなくて、ほかのメンバーに比べると負担が大きいので、たとえば「こういうフレーズを煽りに入れてみたら?」とアイデアを出したり、みんなで一緒に考えたりしています。明るい空気の中にいたほうが美空らしさが出るし、彼女の魅力がより引き立つと思うので、みんなで居心地のいい雰囲気を作ろうと意識しています。「ツアー楽しいよね!」というポジティブな空気作りをしている、というか。

──「ケータリングにおいしい地方グルメがあったよ」とか。

中西:そうです、そうです。「一緒にスイーツ取りに行こう」って誘ったりして。美空のフォローは小川彩が専属でやっているので、彩に任せてしまっているんですけど。

──菅原咲月さんにとっては、キャプテン就任後、グループ全体をまとめる立場でのぞむ初の全国ツアーです。

中西:咲月が乃木坂46のキャプテンになり、いろんなところで何度も“新体制”という言葉を使っているんですけど、明確に変わったなと思う夏でもあります。

──どんなところが変わったのでしょうか?

中西:やっぱり、その人の色が出るんだなと思うんです。梅さん(梅澤美波)って、メンバーにいじられたりすることもあったけど、いい意味での緊張感を与えられる存在で、ピリッとしなきゃいけない場面でちゃんとその空気を作ることができるキャプテンだったと思うんです。

──必要な場面でグループ全体の空気を引き締められるような。

中西:はい。咲月の場合は、咲月自身が人の気持ちにすごく敏感な子なので、それがグループ全体にも広がっているのを感じます。6期生を見ていると、涙を流したり、追い込まれたりしている子の周りには必ず誰かが寄り添っているんです。それは、キャプテンの咲月が作る雰囲気にみんなが自然と引っ張られているからなのかなと思います。

──グループ全体の雰囲気は穏やかですか?

中西:穏やかで和気あいあいとした温かい空気感です。咲月が先輩や後輩に対して壁を作らずにフラットに接する人だから、私たちも期の垣根をあまり感じずにいられるんじゃないかなと思います。

──期や立場に関係なく一緒に作り上げていこうという空気がある?

中西:そうですね。本当に「みんなが一丸となって」という言葉が合っていると思います。

実際、今回のツアー期間中、私もいままでで一番と言っていいほど先輩や後輩とコミュニケーションを取っているんです。

──全国ツアーを通して距離が縮まったメンバーは?

中西:6期生の(瀬戸口)心月ちゃんが、実はすごく甘えん坊ということを知りました。彼女はザ・体育会系の人なので、任されたことはきっちりと完璧にやってくるタイプの真面目な子なんですけど、私たち5期生にはあんまり素顔を見せてくれていなかったんです。以前は、楽屋やお仕事の現場で心月ちゃんと目が合っただけで背筋をピシッと伸ばしていて(笑)。

──縦社会で生きてきたので身体に染み付いているのでしょうか。

中西:でも、最近は緊張していた表情がだんだんとほぐれて、ふと目が合うとニコッと微笑み返してくれるようになりました。やっと私たちにも等身大のかわいらしい一面を見せてくれてうれしいです。

──菅原さんに気負いを感じることは?

中西:う~ん、なくもないかな? 副キャプテンの立場で梅さんの勇姿を一番近くで見てきたからこそ、自分自身に厳しくなってしまう部分もあるのかなと思います。梅さんという理想のキャプテン像に少しでも近づこうとするあまり、自分を追い込んでしまうというか。理想を追いかけて、なかなか思うようにいかない現実に落ち込んでしまう……という試行錯誤を繰り返しているので、私たちとしては咲月にしかできない自分らしいキャプテン像を築いていってほしい、というのが願いです。

──同期と一緒に楽屋で過ごしているときの菅原さんは、どんな人ですか?

中西:しょうもないギャグを言って一人でゲラゲラ笑っている、みたいなお茶目な人です(笑)。

取材・文/宮田英一郎

まだまだ続くインタビューは『BRODY10月号』をチェック!「林:パッと見たときに乃木坂46のパブリックイメージと違うものであったとしても、よくよく味わってみたら「でも、これも乃木坂46だな」と思わせる懐の深さがあると思うんですよね。」

中西アルノプロフィール

なかにし・あるの=2003年3月17日生まれ、千葉県出身。

『惡の華』で屈折した青春を演じた一方、普段は同期を見守り、ゴッド・マザーとしてその光も影も包み込む乃木坂46のアルノ・パチーノ。愛称は「アルさん」「アルノ」。

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