進化するAIに人間が仕事を奪われる心配が高まっていますが、逆に人間にしかできないと人気が出始めているのが「現場の仕事」いわゆるブルーカラーです。その実情とは。



AIが進化してもできない仕事はたくさんあります。建築現場で“足場”を組むなど、高所作業を受け持つ「とび職」。高い場所でパイプを繋ぎ合わせ、微妙なバランスをとって足場を組み上げていく、まだAIの入りこむ余地はありません。

17年で日当約4倍 今や年収1000万円超も… 「とび職」 ...の画像はこちら >>

関孝秀さんは、16歳でこの世界に入りました。初めは日当約6000円ほどだったと言いますが…

(とび職 関孝秀さん 33歳)
Q.今はだいたいどれくらい?
「2万3000円とか、2万4000円くらい」

17年前と比べ、日当は4倍に上昇。

(とび職 関孝秀さん)
「やってみないと分からないことがどの現場でも絶対にあるので、そこが人の判断じゃないとできないと思いますね。(AIに)助けてもらえる部分はあるかもしれないですけど、基本的には人の手でしかできない作業がメインだと思うので、なくなることはないと思っている」

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建築になくてはならないとび職「年収1000万円」を超えることも

「現場はとびに始まり とびに終わる」と言われるほど、なくてはならない存在のとび職。しかし、人手不足の建設業界でもひと際不足していて、賃金は上昇傾向にあると言います。

(足場会社 Saaave 星山忠俊代表)
「雇用もコンスタントには進んでいるが、業界的にはかなり厳しい。なかなか人が少ない、人手がいない状態です。やはり人を集めるためには、いいお給料を渡すっていうのが必要になってきてはいるので」

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今やとび職は、年収1000万円を超えることもあると言いますが、関さんは…

(とび職 関孝秀さん)
Q.どこまで目指しますか
「うーん…2000万円くらいで」

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建設・製造・物流など「AIに仕事を奪われない」ブルーカラーが人気

AIがいわゆるホワイトカラーを脅かす中、いま建設や製造・物流など、いわゆるブルーカラーを目指す人が増えています。民間の調査によると、5人に1人はオフィスワーク。つまり、ホワイトカラーからの転職組。

そして、大卒の新入社員も増えています。

特に20代は希望理由に「高収入」に次いで「AIに仕事を奪われない」ことを挙げています。

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こちらもAIにはできない仕事「左官職人」

そしてこちらも、AIとは無縁の職人技。土とコテで壁を仕上げる「左官」です。

(丸山左官 宮原祐介社長)
「一番上まで(コテを)当てちゃうもんで汚れちゃうじゃん。手前でやめて、隅までコテ先で持っていく。こうすると汚さない」

(訓練生)
「本当だ、めちゃめちゃきれいになっていますね」

名古屋市北区の「愛知県左官高等職業訓練校」。普段は建築現場で働く10代から20代の職人が、週に1回プロの技を学びに集まります。

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講師を務めるのは、左官の施工会社を経営する宮原祐介さん。

(丸山左官 宮原祐介社長)
「材料を均一に伸ばして真っすぐ塗る、それが難しい。塗っている間に凹凸が伝わってくるので、高い所は削って低い所にはつける。手の感覚で修正かけて塗っていきます。AIではその技術は出せないと思います」

気温や湿度で刻々と変わる現場。頼りになるのはマニュアルではなく、長年の勘どころです。

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ジブリパークにも“匠の技”が 

愛知県長久手市のジブリパークには、その匠の技を見られる場所が。

独特な光沢を放つ壁。これは、宮原さんがコテひとつで仕上げた作品です。

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(丸山左官 宮原祐介社長 2022年10月)
「つるっとした仕上がりが、“大津壁”になる」

ワラを混ぜて発酵させた土を塗り重ねること20回以上、磨き上げるのにもコテを使う伝統工法です。

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こうした住まいや建築を支える左官職人は減少の一途をたどっていますが、AIに脅かされない仕事の一つとして技術の伝承を目指しています。

(訓練生)
Q.始めようとしたきっかけは?
「手に職をつけることが、かっこいいと思ったから。AIには無理じゃないですかね、きめ細かい作業は」

(訓練生)
Q.この仕事はAIに奪われる?
「やっていると難しさがすごい、細かい難しさがあると思う。人の手でないと駄目だと思っています」

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今後も成長が期待される「ペットのトリミング」 

人にしかできない、しかも今後も成長が期待できるとみられるのが…犬や猫などペットのトリミング。名古屋市中村区にある「セントラル動物専門学校」。トリマーやドッグトレーナーなどを育成しています。

(学生)
「トリマーとして技術を身に付ければ、何年でもいつでも働けるというのは安心かなと思います」

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トリミングで大切なのは、技術の前に動物を落ち着かせること。

(トリミング講師 田口智恵先生)
「めちゃめちゃ緊張しています。動かしても足が曲がらないので、こわばっている状態」

声をかけたりなでたりして、まずは落ち着かせてからハサミで毛並みを整えていきます。

(トリミング講師 田口智恵先生)
「私たちは刃物を使っている職業なので、(犬の)動きに対してけがをさせないように気を付けています」

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「AIには無理」犬たちの感情に寄り添うトリマーの仕事

犬が急に動いても、瞬時にハサミの刃先を逃がす。



(学生)
「ワンちゃんは安心感とかを求めると思うので、人間にしか手慣れたり安心させることはできないので、AIには無理だと思います」

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いまや子どもの数を超えた日本のペット。人口減少が進む中でも成長を続けるペット業界を目指す人は増えています。

左官職人は指先の感覚で「完全な平面」を作り出し、トリマーは生き物の感情に寄り添う。デジタルが不可欠な時代だからこそ、マニュアルのない人間の「手に職」が、確かな価値を放ち続けています。

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