【6月M&Aサマリー】111件で11カ月連続100件超え、ジェイ・エス・ビー非公開化など大型案件も

2026年6月のM&A件数(適時開示ベース)は111件となり11カ月連続で100件の大台を超えた。前年同月比では同数。

取引総額は約8600億円で、ジェイ・エス・ビー<3480>の非公開化や三井化学<4183>による海外企業の買収など1000億円を超える大型案件が全体を牽引した。上場企業の適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)についてM&A Online編集部が集計した。

【6月M&Aサマリー】111件で11カ月連続100件超え、ジェイ・エス・ビー非公開化など大型案件も

上半期は記録的なペースで推移

2026年のM&A件数は、過去最多をマークした2025年の1344件をさらに上回るペースで推移。1~6月の累計は前年同期比72件上回る733件で、年末にかけて増加する傾向にあることから、年間通算で1500件突破も視野に入る。企業の資本効率向上やコア事業への集中を図る動きが継続しており、M&A市場は盛況が続いている。

取引金額は前年同月に豊田自動織機の非公開化案件(5兆9209億円)があったことから、前年同月比約86%減となった。

ジェイ・エス・ビーの非公開化が金額トップ、海外案件が上位多数

金額トップは、学生マンションの企画開発・運営を手がけるジェイ・エス・ビーの非公開化案件。米投資ファンドのウォーバーグ・ピンカスがTOB(株式公開買い付け)を実施し、買付代金は最大で約1918億円。東京・首都圏エリアでの新規物件の開拓を通じた管理戸数の拡大や、増加する留学生向け需要への対応、海外での学生専用住宅事業の展開などに中長期で取り組む。

金額2位は、三井化学による歯科材料メーカーの米国Ultradentの買収案件で取得金額は1443億円。三井化学はヘルスケア領域を成長牽引事業と位置づけており、グローバルな歯科材料市場でのプレゼンスの拡大を狙う。

3位には、LINEヤフー<4689>の連結子会社であるPayPayが、T&Dホールディングス<8795>からT&Dフィナンシャル生命保険を取得した案件がランクイン。取得金額は1343億円。決済プラットフォームを基盤に金融・保険事業の強化を図る。


4位の大林組<1802>は、豪州・英国・カナダで建築事業を展開するMultiplex Globalを860億円で子会社化。5位の伊藤ハム米久ホールディングス<2296>は、ニュージーランドの食肉処理加工販売会社Greenlea Groupを760億円で買収した。さらに、6位の阪和興業<8078>による米国Associated Steel Groupの共同買収(561億円)など、建設、食品、鉄鋼といった多様な業種でグローバルな事業基盤の拡大が進んでいる。

国内市場が縮小に向かう中、海外に活路を見出すアウトバウンド案件が金額トップ10の半数を占めた。

2026年6月のM&A上位10社

順位

社名(買い手)

内容

金額(億円)

1

米ウォーバーグ・ピンカス

ジェイ・エス・ビー<3480>をTOBで株式非公開化

1918

2

三井化学

歯科材料メーカーの米国Ultradentを子会社化

1443

3

LINEヤフー

T&DホールディングスからT&Dフィナンシャル生命を取得

1343

4

大林組

豪州・英国・カナダで建築事業を展開するMultiplex Globalを子会社化

860

5

伊藤ハム米久ホールディングス

ニュージーランドの食肉処理加工販売会社Greenlea Groupを子会社化

760

6

阪和興業

鉄鋼構造物メーカーの米国Associated Steel Groupを日本政策投資銀行と共同買収

561

7

ジーエヌアイグループ<2160>

解熱・鎮痛薬「カロナール」のあゆみ製薬ホールディングスを子会社化

467

8

SBIホールディングス<8473>

暗号資産交換業のビットバンクを子会社化

467

9

Umios<1333>

ペットフード製造販売のマレーシアPet World Internationalを子会社化

114

10

モスフードサービス<8153>

「和食・酒 えん」など飲食店運営のビー・ワイ・オーを子会社化

111

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