そして、今回も奇跡だ。ロッテは、10月2日に発売するソフトキャンディ『カフカ(袋)<極うまミルク味>』のプロモーションとして、9月18日より“泣き止み動画”を配信しているという。
「『ロッテ カフカ』は、“子持ちの30代主婦”をメインターゲットにした商品です。そして、この動画も普段から育児に忙しいママ達に焦点を当て、ママ友の間で口コミとなるよう立案いたしました」(同社・担当者)
子供のぐずり泣きをフックとした、ママたちにとって便利な“泣きやみ動画”が制作されたのだ。
では、なぜ泣き止むのか? 実はこの動画の監修は、日本音響研究所所長の鈴木松美先生が務めている。なるほど、科学的な根拠を元に制作された動画のようだ。
「子どもが何にでも興味を示して反応する『定位反射』という現象を利用しています。次々と音楽や映像に新しい展開を与えることで、子どもに泣くことを忘れさせて泣きやませる、という仕組みです」(鈴木先生)
勘違いされがちなのは、子守唄のようなゆったりした歌よりも展開が早く色々な楽器を使っている“ヘビメタ”の方が子どもは泣き止みやすいという事実。これも、いわゆる「定位反射」である。
よって今回の動画では、子どもが音を聴き取りやすい6000〜7000ヘルツの周波数帯で、定位反射を引き出すために効果音や摩擦音、破裂音を使った歌詞、歌い方など、色々な音が効果的に使用されている。
では、動画(http://www.lotte-cafca.jp/movie/index.html)のストーリーについても触れていきたい。
まずはハンモックで寝ている彼が目覚めて、さあお出かけ! 風船に揺られながらカフカくんが『カフカ』を食べると、食べた数の分だけカフカくんが増殖! 雨が降ったら、相合傘で凌ぐカフカくんたち。雨上がりの空に虹が出てきたら、カフカくんが大増殖して大集合! 「あ~、楽しかった」とハンモックに戻り、再び眠りにつくカフカくん。
夢かうつつか、不思議なストーリーが展開される動画でした……。
実は、この動画についての実証実験が行われている。0~3歳のぐずり泣きをする子供たちに、“泣き止み動画”を観せて泣き止むかの検証がされたのだ。
結果、52名中50名(96.2%)の子供が泣き止んだ! 驚異的な効果が実証された。
「この動画が、ぐずり泣きに悩むお母様方のお役に立てれば幸いです」(鈴木先生)
また、この動画に関わったスタッフの面子もスゴい。音楽プロデュースには、エステー『トイレの消臭力』やNHK『おかあさんといっしょ』を手がけた福井洋介氏が。映像監督には、映画『食堂かたつむり』を手がけた富永まい氏が就任。
というわけで、ぐずり泣きをしない我々大人でも楽しめる内容となっております。
「ポイントは、子どもが泣きやむ周波数の音を使ったり、パーカッションや木琴など色々な楽器を使って定位反射を起こさせるよう意識したことです」(福井氏)
「カフカくんに“脱力系”という印象を受けたので、ふかふかしたイメージをうまく表現しようと思いました」(富永氏)
そのほんわかした音楽と映像には、大人だって惹きつけられること必至。しかし、音楽と映像の魔力は凄いぜ!
※体調が悪い、おなかがすいている、オムツが汚れているなどの生理的な要因があって泣いている場合は効果がありません。泣いている理由がわからない、ママ・パパに自分の希望を聞いてもらえないなどぐずり泣きしている場合に動画を観せてください。
(寺西ジャジューカ)