イタリアで「宅配ピザ」を頼んだらチラシが日本と全然違った

イタリアといえばピザである。パスタと並ぶ国民食で、街中にはいたるところにピザ屋がある。
正確に数えたわけではないが、感覚的には日本のコンビニくらいの頻度であるように感じる。そんなイタリアで、宅配ピザを頼んでみた。

徒歩5分圏内に8件のピザ屋がある


日本ではピザといえば宅配のイメージが強いが、実はイタリアではそこまで「ピザ」と「宅配」は結びついているわけではない。なにしろ街中にはコンビニくらいの頻度でピザ屋があるのだ。メニューを見ながら電話をして……なんて面倒なことをしなくても、自分で買いに行ったほうが早いし面倒がない。
ちなみにこの記事を書くにあたり改めて数えてみたが、我が家の徒歩5分圏内には8件のピザ屋がある。5分は300秒だから、だいたい37秒歩けば1件のピザ屋に突き当たると言ってもいいかもしれない。なんか違う気もするが。

ちなみに日本ではよくピザを持ち帰る人は半額とか2枚目無料なんてキャンペーンをやっているが、イタリアでは宅配料金が加算されたり、一定金額以上じゃないと宅配しないというケースが多い。どちらかというと直接店に買いに行くのが基本のシステムになっているのだ。

話が逸れてしまったが、そろそろピザを注文してみたい。

メニューは写真なし、想像力をフル活用して注文する


宅配ピザといっても、イタリアの場合はほとんどが小さな個人経営の店ばかりなので、ネットで注文できるシステムはない。チラシを見ながら直接電話することになる。ちなみにチラシはよくポストに投げ込まれるので、それを確保しておけばいい。


イタリアで「宅配ピザ」を頼んだらチラシが日本と全然違った


上の写真は今回注文したお店のチラシ。ひと目見れば分かるが、日本のチラシと違って写真がない。一応メニュー名の下に具材が書かれているが、初見ではどんなものが届くのかなかなか想像しにくい。このあたりは、大手のピザチェーン店と個人経営の店ではそもそもチラシにかけられる予算が違うというのもあるのかもしれない。

イタリアで「宅配ピザ」を頼んだらチラシが日本と全然違った


20分ほど待ってピザが届いた。30分を越えたらタダ、みたいなキャンペーンは特にないが、だいたい時間どおりに届く。ちなみにピザの箱もその店のオリジナルではなく、どこの店でも同じような箱が使われている。多分、こういうのを専門で作っている業者がいるんだと思う。

イタリアで「宅配ピザ」を頼んだらチラシが日本と全然違った


ピザは1人1枚が基本


さて、注文したのは「水牛のモッツァレッラ(Bufala/7ユーロ)」と「マリナーラ(Marinara/3.50ユーロ)」と「クルミとゴルゴンゾーラ(Zola e Noci/6ユーロ)」の3枚。これに宅配料金1ユーロが加算されて17.50ユーロ(約2275円)だ。

イタリアで「宅配ピザ」を頼んだらチラシが日本と全然違った


1枚の大きさは直径31cmくらい。ドミノピザのLサイズが約33cmとのことなので、だいたい同じような大きさと考えればいいかもしれない。

イタリアで「宅配ピザ」を頼んだらチラシが日本と全然違った


このサイズを3枚となるとかなりの量に感じるかもしれないが、イタリアではピザは宅配でもピッツェリアで食べる場合でも、基本的に1人1枚注文するのが基本。
日本のピザと比べて具材が少なくシンプルなので、1枚くらいならぺろりと食べられる。ウチは妻と3歳の娘の3人家族だが、少し迷って3枚注文していた。

よく食べに行く店のピザではあるが、やはり本場だけあって美味しいし、食べ飽きる感じがない。今回は変わり種としてクルミとゴルゴンゾーラのピザを注文してみたが、シンプルなマリナーラもトマトとニンニクの相性がよくて美味しい。

宅配ピザの発祥は、実はアメリカ


いろいろとしたり顔で書いてしまったが、実はイタリアで宅配ピザを頼むのはこれで3度目。もう6年住んでいるので、だいたい2年に1回くらいの頻度になる。そのくらい宅配ピザの頻度は低い。

あとで調べてわかったのだが、もともと宅配ピザというのはアメリカで生まれたビジネスらしい。1960年にミシガン州でオープンしたドミノピザが最初で、その後チェーン店として世界中に広まっていったのだとか。
そもそもイタリアの文化じゃないと考えると、この頻度の低さもうなずける。イタリアのピザは宅配をメインしたビジネスではなくて、近所の人に頼まれたからちょっと届けに行ってくる、くらいの感覚なのかもしれない。
(鈴木圭)
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