ご近所で続出する「町内会のトラブル事例3」の画像はこちら >>


「いまどき回覧板とか、面倒なだけ!」という声も多い町内会。東京都内では、町内会(自治会)の数は増えているものの、逆に加入率は激減しているという。

つまりマンションが増え、自治会が細分化しているが、若い世代を中心に加入者が減っているのだ。「町内会不要論」も唱えられているいま、町内会にまつわるトラブル事例を紹介!



【ケース1】役割分担トラブル


「3年ほど前に賃貸マンションに引っ越し、何も考えずにマンション自治会費を払ってしまいました。翌年、班長の当番が回ってきたのですが……」



そう大阪府在住の派遣社員、桧山和子さん(55・仮名以下同)はため息をつく。彼女は知らなかったのだが、平日にゴミ置き場の掃除をするのも班長の仕事。だが彼女はシングルマザーでもあり、時間的にも難しい。そのことを自治会の役員に告げたところ−−。



「すぐに年配の役員たちが数名で押しかけてきて、『みんながやっているのだから、あなたもやってくれないと困る!』と、口々に言うのです。私は『自分は派遣の仕事で子供たちを育てているのに、清掃のために会社を休んで派遣切りにあったら、誰が責任をとってくれるんですか!』と言いました」



2時間くらい玄関先で論争になったが、怒った桧山さんは脱会を表明。しかし翌年も、役員たちがさらに大人数で押しかけてきたという。



「今度は『防犯灯の維持費などは自治会が負担しているのだから、このマンションに住むのなら、自治会に入ってもらわないと困ると……。結局、自治会名簿に私の名前を掲載しない、班長などはやらないといったことを条件にして、自治会費を払い続けることにしました』



【ケース2】会費トラブル


ケース1でも問題になった会費だが、地域によっては除雪費用なども含まれていることがある。北海道在住のパート主婦、武田加奈子さん(47)は次のような証言を−−。



「昔から1軒だけ、町内会に加入していないお宅があったんです。元地主のSさんで、豪邸住まいなのですが、『この辺りはもともとワシの家の土地だったのに、戦後の農地解放で分けてやったんだ』といって、ご近所付き合いをイヤがっていました」



だが冬になると、Sさんの豪邸の前だけ、雪が積み上がっている異様な状態に。町内会費で除雪車を頼んでいたのだが、会費を納めていないSさん宅は除雪されなかったのだ。



「あるとき町内の小学生が行方不明になり、大騒ぎになりました。誰かが『Sさんのところの雪山に埋まっているのでは』と言いだし、そこも捜索することに……」



結局、小学生は別のところで発見されたのだが、騒動の翌日、Sさんの息子の妻が、町内会役員のところにやってきて、こう言ったのだ。



「舅が嫌がるので、これまでは払っていませんでしたが、昨日の騒ぎでイヤになりました。

これからは舅に内緒で町内会費を払わせてください」



それ以降、Sさん宅前の雪山は消えたという。



【ケース3】回覧板トラブル


会報を採用している町内会も増えているが、いまだに「町内会=回覧板」といったイメージも強い。静岡県在住で保育士の山本早苗さん(42)は、こう話す。



「うちの町内会は手渡しが基本です。早く次の方に回さなければいけないと思うのですが、仕事から帰宅するのは20時過ぎで、お隣に住むお年寄りは、寝ている時間なんです。回覧板のために早く仕事を切り上げるわけにもいきませんし、かなりストレスになっています」



町内会での協力はもちろん大事だが、あらためて町内会の問題や未来について考える時期がきたのかも知れない……。