オードリー林正恭の著書『ナナメの夕暮れ』(文藝春秋)が、発売2週間で累計発行部数10万部(5刷)を突破したことが分かった。同書は文芸誌の『ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA)での連載をまとめ、大幅な書き下ろしを加えた力作。
日々彼が引っかかっていることや物事に対する考えがまとめられている。若林は「この本を書かせてくれた10万人の皆様ひとりひとりと、ぼくの心に巣食うナナメのモンスターに心から感謝します」と喜びを表現した。

 『ナナメの~』と同じく連載したものをまとめた『社会人大学人見知り学部 卒業見込』(ダ・ヴィンチブックス)は、完全版(角川文庫)などを含めて累計21万部を突破。さらに、前作の『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(KADOKAWA)は『斎藤茂太賞』を受賞している。

 また、先日南海キャンディーズ山里亮太の著書『天才はあきらめた』(朝日文庫)も発売から約2か月で10万部を突破。自伝的なエッセイで、当時、自分はどう思い、どう物事を解決したのかを書き綴っている一冊である。
自身のラジオ番組『JUNK山里亮太の不毛な議論』(TBSラジオ)にて語っているように、彼は全国の書店を巡って地道な営業活動をしており、努力が実を結んだ結果となった。

 「2人の著書の共通点として、物事を“ナナメ”から見て何かを“あきらめている”というものがあります。ネットで人の本音が可視化され、人が疲弊している世の中で、2人の独特な視点が胸に突き刺さる人が多かったのではないでしょうか」(エンタメライター)

 同世代である若林と山里は、自身のコンプレックスや怒りを漫才にして披露する『たりないふたり』(日本テレビ)で2012年に共演しており、その頃から価値観が似ていることも多くあった。ちなみに、『天才は~』の解説は若林が担い、締め切りよりもだいぶ早く書き上げてくれたとのこと。彼の文章を見て、山里は感動したという。一方、若林は『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で山里の名前はたびたび出しており、悪態をつきながらもその才能を語ることもある。


 ぜひ、芸人とての才能と作家としての文才を併せ持った2人の著書を読んでおくことをおすすめする。そして、6年前とは環境も立場も違う2人が、また『たりないふたり』をやったらどうなるのか…非常に興味深い。スペシャル番組でも良いので観てみたいものだ。