ショー自体は新旧織り交ぜた内容で、約1年振りのツアーということもあり、一曲一曲が大きなリアクションで迎えられる様が印象的だった。
撮影:古渓一道/取材:荒金良介
セットリスト
現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。
BUMP OF CHICKEN
96年、幼稚園からの幼なじみで結成された藤原基央(vo&g)、増川弘明(g)、直井由文(b)、升秀夫(dr)の4人から成るBUMP OF CHICKENは、数々のコンテストを荒しまくり、99年3月に<ハイラインレコーズ>からデビュー・アルバム『FLAME VEIN』を発表、活動を本格化する。
当時、メンバー全員が弱冠20歳とは思えないほどの円熟味、安定感を感じさせるプレイが圧巻であった。なかでも、フロントマンでありソング・ライティングを手掛ける藤原基央の存在が、このバンドを支えているといっても過言ではないだろう。詩人の「山田かまち」を彷彿させる文芸的な歌詞、感情をストレートにぶつけたメロディ——それは過剰に生々しく、いたってリアルな世界を築く。言葉の弾丸を音の銃に詰め込みブッ放す……まさしくそんな感触だ。
00年9月、<TOY'S FACTORY>から1stシングル「ダイヤモンド」でメジャー・デビュー。翌01年3月にはメジャー2ndシングル「天体観測」が55万枚を超えるビッグ・セールスを記録し、日本のロック・シーンを背負って立つ存在となっていった。その後、02年2月には、本作を含むメジャー1stアルバム『jupiter』を発表、シングルとアルバムを通じて初のオリコン週間チャート初登場1位を獲得し、その地位を不動のものとした。また、同年夏には、BUMP OF CHICKENの楽曲の世界観・メッセージをもとに制作されたフジテレビ系ドラマ『天体観測』が放送され、インディーズ時代の作品を中心に数多くの楽曲画使用された。
03年3月に、彼らが以前からファンでもあった『ONE PIECE』の映画『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』主題歌に、メジャー6thシングル「sailing day」が起用され、若者のみならず、下は幼稚園生、上は子供を持つ親までの様々な年齢層のファンを引き込んだ。
06年3月には、藤原基央が書き下ろしたナムコの人気RPG『TALES OF THE ABYSS』用のサウンドトラック集『SONG FOR TALES OF THE ABYSS』をMOTOO FUJIWARA名義でリリース。その後、山崎貴監督との出会いからコラボレーションが結実するタイアップが実現。07年11月に公開された大ヒットを記録した映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』主題歌を担当。
07年12月、前作から約3年4ヶ月ぶりとなるメジャー3rdアルバム『orbital period』をリリース。デビュー9年目にして今もなお、購買層を拡大し続け、また若者からの絶対的な信頼と指示を受け続ける。このバンドが発信し続けるメッセージは、これからも多くの人々に大きな感動を与えるであろう。それだけ彼らが創る音楽の影響力の大きさは計り知れない。まさに、“時代が必要とした奇跡のアーティスト”——それがBUMP OF CHICKENなのだ。