まわりにきたら、ごあいさつ
「いれてください」「いれません」
ナナメにご用心

幼稚園の話じゃないですよ。囲碁の定石なんです。


こんな、わかりやすい説明で、囲碁を学べるアプリが「石倉昇九段の囲碁講座 入門編」。NHK囲碁講座の講師もつとめた石倉さんの語り口は平易そのもの。文字通り番組感覚で楽しめます。

「石倉昇九段の囲碁講座 入門編」- NEC BIGLOBE Ltd.

庶民派の将棋、ギャル系の麻雀に比べて、囲碁は和服の似合う京美人(個人的印象)。でも、ルールは一番簡単なんです。もっとも僕自身、このアプリで囲碁を知った超ビギナー。
だからこそ漫画『ヒカルの碁』→入門書で挫折、という人にもオススメできます。

内容は解説編・問題編・用語集の3パートです。解説編では囲碁のルールや定石を初歩の初歩から48ステップで解説。問題編は「次の一手」をタップするもので、全32問を収録。用語集は解説編・問題編にリンクされ、専門用語がすぐに参照できます。

特に秀逸なのが解説編。
説明と共に石が碁盤に配置されていき、実例と共に理解できるしくみ。この時のピシリ・ピシリという音がまた心地良いんですよ。要所で練習問題も挟み込まれ、良いスパイスになってます。テキストとビジュアルとサウンドが、うまく融合して、サクサクと読み進められる。これ、電子教科書のお手本じゃないかなあ。

ちなみに囲碁の基本ルールは「一手ずつ交互に打つ」「相手の石を囲めば取れる」「『陣地』の多い方が勝ち」の3つだけ。
これに「打ってはいけない場所がある」「同型反復(コウ)の禁止」という、サッカーのオフサイドみたいな補足ルールがあります。全部あわせても5つで、駒の動きも役も覚える必要がない! このシンプルさ、展開の豊富さ、ゲームバランスの完璧さ。いや~、くらくらしますね。

ただ、人によっては中盤で、ちょっと退屈に感じちゃうかもしれません。というのも、惜しいことに対局モードがついてないんですよ。そのため、ある程度ルールを理解したら、他の囲碁アプリを遊びながら読み進めると良いでしょうね。
盤面で有利・不利がすぐにわかる「Clever囲碁」などがオススメです。

ウェブの「インタラクティブ囲碁入門」も初心者向けの良サイト。アプリでは次の一手を指し示すだけですが、本サイトではコンピュータ相手に打ち合いながら、ルールや定石が学べます。石の取り方になれるためのミニゲーム「だめづめ君」もあり、シンプルながらハマること請け合いです。

上級者向けにはパソコンゲームで「石倉昇九段の囲碁講座 中級編 ~強化版~」「上級編 ~強化版~」も発売されています。もともと本アプリは「入門編」をiPhone向けに移植したもの。
対局ソフトも同梱されており、解説からコンピュータとの腕試しまで、オールインワンで楽しめちゃいますよ。

でもiPhoneアプリと比べると価格が高いのがネック。ここは中級編・上級編・対局ソフトと、シリーズでアプリ化していただきましょう! 是非是非によろしくです~。(小野憲史)