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米長邦雄永世棋聖vs.ボンクラーズ。人とコンピュータどっちが強いの? 将棋電王戦

2012年1月18日 11時00分 ライター情報:杉村啓

二手目6二玉の図です。
飛車も角も活かさない手ですが、対コンピュータということでは非常に考え抜かれた手だと思います。
ちなみに今回の記事では、Macの将棋ソフト「桜花」で棋譜を再現し、そのスクリーンショットを使っています

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人とコンピュータはどちらが強いのでしょうか?

もちろん、人とコンピュータが殴り合いをするわけではありません。いわゆる将棋やチェスやオセロといった1対1で戦うゲームにおいて、人とコンピュータが戦った場合どちらの方が強いのか? ということです。

コンピュータの性能とソフトの性能が上がっていけば、コンピュータ側が勝つでしょう。現にチェスやオセロではもう世界一の人でもコンピュータにはかなわないそうです。でも、まだ将棋は世界一の人がコンピュータに負けてはいません。

ここでプロ棋士vsコンピュータの歴史を確認してみましょう。

まず、2005年に橋本五段(現七段)が「TACOS」というソフトと対局しています。橋本五段が勝利したものの、想像以上にコンピュータが強かったことで、将棋連盟が以後コンピュータとの無断対局禁止令を出します。これはコンピュータが手強かったのと、例えばお遊びでコンピュータとプロ棋士が対局してプロ棋士が負けた場合でもニュースになってしまうのを防ぐためです。つまり、きちんとした対局の場で、きちんと戦うようにしたわけです。

2007年には渡辺竜王と「Bonanza」というソフトが対局し、渡辺竜王が勝っています。Bonanzaはその後の将棋ソフトの考え方を一新したほどの画期的なソフトでしたが、まだトッププロには及ばないことが明らかになりました。

2010年には清水市代女流二冠(現女流六段)と「あから2010」というソフトが対局。ここで「あから2010」が勝っています。女流棋士がどれぐらい強いのかはちょっと難しい話になるのですが、男性のプロが奨励会四段からなのに対して、先日初めて里見香奈女流三冠が奨励会で初段になったということを考えると、男性プロ棋士の手前、つまりはアマチュアのトップぐらいの棋力と判断するのが妥当ではないかと思います。

さて、そんなさなかに行われたのが、1月14日(土)に行われた「将棋電王戦」です。棋士対コンピュータの五番勝負と銘打った、プロ棋士側も本気で戦う対決になります。コンピュータ側は昨年のコンピュータ将棋世界選手権で優勝した「ボンクラーズ」というソフト、対する棋士側は米長邦雄永世棋聖です。

まずは対局するお二人のプロフィールを見てみましょう。ニコニコ生放送で出てきたプロフィールを引用してみます。

米長邦雄永世棋聖
通算成績は1103勝800敗1持将棋
タイトル獲得数19期は歴代5位
昭和59年度には四冠を達成
49歳11ヶ月での名人位獲得は最年長記録
2003年に現役を引退され2005年より公益社団法人日本将棋連盟会長をつとめる

ボンクラーズ
株式会社富士通研究所の伊藤英紀が開発
第21回世界コンピュータ将棋選手権優勝
現在は将棋倶楽部24に自動運転で参戦
レーティングは約3300
トップ棋士並みの成績を残している

米長邦雄永世棋聖(以後、米長会長と記します)は2003年に引退したものの、昔は世界一将棋の強い男(当時強かった人達を倒して四冠を取ったので)とも言われていました。

ライター情報

杉村啓

醤油と日本酒と料理漫画とその他諸々をこよなく愛するライター。なんでも超丁寧に解説します。近著に『白熱日本酒教室』(星海社)、『醤油手帖』(河出書房新社)ほか。

URL:醤油手帖

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