テーブルの上を転がり、壁を登り、スケボーに乗る。
食パンが。

プレイヤーが食パンになって家の中を縦横無尽に動き回るゲーム、『I am Bread』がiOSでリリースされている。
動き回るといっても、キャラクター化や擬人化されてるわけじゃない。
食パンそのまんまなのである。
まさにゲーム実況向き。食パンがかびないように運ぶゲーム「I am Bread」は「あー!」と声が出る
どうみても食パンです。本当にありがとうございました。

食パンが天井からぶら下がる


食パンの目的は自分の両面をこんがり焼いてもらうこと。
でも部屋には誰もいないので、自分でトースター目指して移動しないといけない。

画面をフリックすると、フリックした方向に食パンがパタン!とひっくり返る。
食パンの四隅がどこかに接地していれば、そこを支点にしてパタン!パタン!と移動できるのだ。
まさにゲーム実況向き。食パンがかびないように運ぶゲーム「I am Bread」は「あー!」と声が出る
パタンパタンと移動する食パン。壁も天井も忍者のようにつたっていく。

とにかく、食パンの四隅が何かにくっついていれば移動できる。
垂直の壁も登れるし、天井にぶら〜んとぶら下がったりする。
強くフリックすれば勢いがつき、離れた場所へジャンプすることもできる。
空飛ぶ食パンってちょっとしたホラーだよね、と思ったが、そういえばそういうヒーローいたな……。
まさにゲーム実況向き。食パンがかびないように運ぶゲーム「I am Bread」は「あー!」と声が出る
床に落ちると可食性ゲージがみるみる減っていく。早く上に上がらないと……!

気をつけないといけないのが衛生面。
『I am Bread』では、食パンが床に落ちると画面上部の「可食性」ゲージがみるみる減っていく。
早く這い上がらないと表面にどんどんカビが生えてしまい、ゲージが0%になるとゲームオーバーになってしまう。

トースターを目指しつつ、床に落ちないよう、部屋のものを上手につたっていくのがこのゲームの肝。
食パンはフニャフニャしていて、思うように動いてくれないことも多い。
まるでサーカスの綱渡りのようにスリリングだ。

とにかく焼ければクリア


さっきから「トースター目指して」と言っているのだけど、
実はトースターだけがゴールじゃない。
最終的にパンが焼ければいいのだ。
ヒーターでもいいし、アイロンでもいいのである。
まさにゲーム実況向き。食パンがかびないように運ぶゲーム「I am Bread」は「あー!」と声が出る
食パンを焼いているところ。熱源の上でじっとしていると焼けていく。まんべんなく焼かないと、クリア時の評価が上がらない。

ステージ1はキッチンなので、トースターやIHコンロがある。
熱源までたどり着くと、ジワーっと食パンが焼ける。
両面を100%焼ければステージクリアとなる。
まさにゲーム実況向き。食パンがかびないように運ぶゲーム「I am Bread」は「あー!」と声が出る
ステージ2のリビング。奥にあるヒーターまで行って焼かないといけない。土足の足跡や脱ぎ散らかした服が落ちていて、絶対に床に落ちたくない。

ステージ2はリビング。周りを見渡してもトースターがない。
とにかく熱いところ、ヒーターや電気スタンドで食パンを焼かないといけないのだ。
ヒーターはすぐに焼けるのだけど、さすがに電球はじんわりとしか焼けない。
その辺はリアルになっている。

ステージはベッドルーム、バスルーム、ガレージと続く。
食パンが動くというトンデモな設定なのだけど、「床に落ちないように」というスリルと、「どこでパンが焼けるんだ」というひらめきの要素がこのゲームを面白くしている。

「実況向き」なゲーム


ちょうどうちの娘8歳がいたので、プレイさせてみた。
パンの操作は直感的なのですぐに理解したが、思うように動かないのでイライラ。でも相手は食パンなので絶えず爆笑している。
床は足跡がついてたり、脱いだ靴下が放置されていたりと不潔極まりないので、落下してしまうと見ている側も「あー!」と声が出てしまう。

スリルとひらめきは複数人で共有するとより面白くなる。
つまり、非常に実況に向いているゲームでもあるのだ。
プレイ動画をシェアできる機能があるのも、実況の面白さを狙ってのことだろう。

『I am Bread』は買いきりの有料アプリで、価格は600円(記事執筆時点)。
近くのスーパーで食パン8枚切りが6つ買える値段だけど、もうゲームの中では50枚くらい無駄にしているから元は取れたな!と思っています。


(井上マサキ)
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