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三谷幸喜正月時代劇「風雲児たち~蘭学革命篇~」元日夜放送…嗚呼みなもと太郎の傑作歴史マンガが遂に!

2018年1月1日 09時00分 ライター情報:近藤正高
江戸時代中期の蘭方医である前野良沢と杉田玄白らが、オランダ語の解剖学書を翻訳した『解体新書』(1774年)を世に出すまでの様子を描く正月時代劇「風雲児たち~蘭学革命(れぼりゅうし)篇~」が、元日の今夜7時20分よりNHK総合で放送される。

今回のドラマでは、みなもと太郎の長編歴史マンガ『風雲児たち』から『解体新書』をめぐる物語(ワイド版の単行本では4巻5巻に収録。ドラマ化にあたって刊行された『風雲児たち~蘭学革命篇~』では1冊にまとめて再録)をとりあげ、それをもとに三谷幸喜が脚本を書いた。劇中では、前野良沢・杉田玄白をそれぞれ片岡愛之助と新納慎也が演じる。いずれも三谷脚本による一昨年の大河ドラマ「真田丸」の出演者だ。そのほかのキャスト、さらにスタッフもすべて「真田丸」の制作チームから再結集している。
みなもと太郎の大長編『風雲児たち』から、『解体新書』出版までの人間模様を描くパートを一冊にまとめた『風雲児たち~蘭学革命(れぼりゅうし)篇~』(リイド社)。三谷幸喜脚本によるNHKドラマの放送にあわせて刊行された

三谷幸喜に影響を与えた『風雲児たち』


ドラマの原作となる『風雲児たち』は、約40年前の1979年に雑誌連載が始まった。同作は当初より幕末物として構想されたが、みなもとは、幕末を理解するためにはまず1600年の関ヶ原の戦いまでさかのぼらなければならないと考え、そこから連載を始めている。おかげで幕末にたどり着くまで20年近くを要し、2001年にやっと始まった『風雲児たち 幕末編』の連載もいまなお継続中である。

三谷幸喜は、少年時代にみなもとの『冗談新選組』(1970年)を読んで大ファンとなり、のちにはそれを下地に大河ドラマ「新選組!」(2004年)の脚本を手がけた。『風雲児たち』も連載が始まったころから愛読していたという。後年、みなもととの対談で《歴史の中にはいい話が山ほどある。誰も知らないいい話が埋もれているというのを、僕は『風雲児たち』を読んで知ったんです》と語っている(みなもと太郎『冗談新選組 風雲児たち外伝〈造本新版〉』復刊ドットコム)。

その三谷が『風雲児たち』のなかでももっとも感動したのが、今回ドラマ化される『解体新書』のくだりだった。先の対談でも《ひとつのクライマックスでしたよね。前野良沢も杉田玄白も、人間描写がすばらしくて》などと話していた。

なお、これまでに「新選組!」「真田丸」など多くの三谷作品を演出し、本作も担当する吉川邦夫によれば、三谷は『風雲児たち』の前野良沢を片岡愛之助でドラマ化したいとすでに10年前から話していたらしい(ぴあMOOK『蘭学事始ぴあ』)。

「真田丸」キャスト再結集に込められた意味とは?


先述のとおり、今回のドラマのキャストは「真田丸」の出演陣で固められている。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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