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原作傑作回「おそ松さん」2期18話。イヤミと少女の戦後浪花節をよくぞ作ってくれた

2018年2月12日 09時45分 ライター情報:たまごまご
『おそ松さん』18話の「イヤミはひとり風の中」は、原作の中でもトップクラスに名作とファンから呼ばれている話だ。赤塚不二夫本人も、公式サイトでお気に入りにあげている。
赤塚先生お気に入り『おそ松くん』2 「イヤミはひとり風の中」
原作の「イヤミはひとり風の中」は「泣けるアカツカ」などで読むことができる

目の見えない少女と薄汚いおじさん


戦後の日本。イヤミはろくに働かず汚いなりで、周りの人から嫌われていた。
ある日彼が橋の上で見かけたのは、両親を亡くした盲目の花売り少女・お菊。
世知辛い境遇を哀れんだイヤミは、彼女を自分の家に連れていき、目を治療するお金を出してあげると誓う。
彼女と暮らし始めてから、イヤミは必死に働き、精一杯のお金を稼いだ。しかしお金は全然足りない。

そのころ金持ちのチビ太は、お菊に一目惚れ。治療代を寄付しようとするが、イヤミを慕うお菊は、彼の支援を断る。
心意気を理解したチビ太は、イヤミが自分からお金を盗めるように、お膳立てをする。
イヤミは意を決してチビ太からお金を奪い、治療費を払う。その後すぐに投獄され、イヤミはお菊と会えなくなってしまった。
長い月日を経た出所後、行くあてもないイヤミは、成長し花屋「イヤミ花店」を営んでいるお菊の姿を見つける。
立派に育ったお菊に声をかけることをせず、イヤミは喜びの涙を流し、去っていく。

視聴者からは、『おそ松さん』とは思えぬ展開に、Twitterでは動揺の声があがった。
同時にイヤミに共感する声や、原作との比較で賞賛する声も多く見られた。

今回のアニメでは、お菊とイヤミが一緒に住んでいた時期のシーンはほぼモノクロ。
お菊が売る花や、空襲の炎、満月、後半の回想シーンのお菊(あとカラシ)など、イヤミが強く意識している部分にだけは色がついている。
出所後はフルカラーで、明るさが段違い。みすぼらしい浦島太郎状態のイヤミが、時代と共に消え行くものの象徴として比較されているかのようだ。

原作と『街の灯』


原作でのこの話の舞台は、江戸時代。
ストーリーの本筋はほぼ変わらない。イヤミは浪人という設定だ。
平成版アニメ『おそ松くん』ではOVAがリリースされており、こちらは原作どおり江戸時代で作られている。
チャップリン『街の灯』1931年の無声映画。これをベースに、赤塚不二夫は描いている

赤塚不二夫はチャールズ・チャップリンの映画『街の灯(1931年)』をベースに、このマンガを描いた。
一目惚れした盲目の花売りを救うため、浮浪者の男がお金を工面しようと奔走するも、強盗容疑で捕まってしまう、という物語だ。
大きく違うのはラストシーン。出所して何年も経った後、娘が手を握った際に彼に気づき、ハッピーエンドを迎えている。

ライター情報

たまごまご

フリーライター。「ねとらぼ」「このマンガがすごい!WEB」などで執筆中。ひたすらに、様々な女の子の出てくるマンガを収集し続けています。

URL:たまごまごごはん

コメント 1

  • アナスタシア 通報

    >お菊の両親は東京大空襲(1944年)で亡くなっており 1945年じゃなくて?

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