
天皇陛下の生前退位にともない、2019年5月から新しい元号(年号)に切り替わる。その新元号の公表時期を、政府が2018年の年末以降で検討していることが報じられた。
改元まで半年を切るタイミングで公表?
2017年12月に開かれた皇族会議で、天皇陛下の退位日が2019年4月30日に決まった。翌日の5月1日には皇太子さまが即位し、改元されることになる。中途半端な時期のようにも感じられるが、行事続きの年末年始、人の入れ替わりが激しい年度末といった忙しい時期を見送った結果だという。
そんななか、政府が新元号を2018年の年末以降に公表時期を設定することを検討しているとわかった。それまでは、官公庁などのシステムの変更にかかる時間、またカレンダーや手帳といった印刷物への影響を考え、2018年の秋頃を目途に調整するとしていた。それが一転、「あまり早いと盛り上がらなくなる」という冗談のような理由で先送りとなったのだ。ネット上でも「絶対コラかと思ったらガチだった」と驚く声が多く見られる。
早めの情報提供を望む不安の声
年末以降の公表では、新元号切り替えまで時間がなく、システムなどの準備期間が短すぎると不安視する人は多い。2019年に入ってからの発表となる可能性もあり、直前の発表になればなるほど、当然新元号に関わるシステムの変更を間に合わせるのが厳しくなる。元号というものは我々の身近にあるものであり様々な場面で目にするものだ。コードがうまく適用できるか、システム障害が起きないかなど、実際の運用を想定してテストをするためにも、早めの情報提示を求める声が多数上がっている。
また、政府が“盛り上がり”を求め、新元号の公表時期をギリギリに設定しようとしていることに対し、「盛り上げたいならこれまでの2文字から字数変えたり常用外の漢字使ったりすると相当盛り上がるよ」との皮肉をきかせたコメントも寄せられている。
システム業界はもちろんだが、元号が入った印刷物はすべて作り直す必要があることから、「システム屋だけじゃなく印刷業界も悲鳴でしょうね」と、様々な業界に影響を及ぼしてしまうことを心配する声も見られる。いずれにしても、新元号の施行で影響を受ける人や変更による不安を感じている人は多いようだ。
(HEW)