平均年収事情を都道府県別に調査 30代はどれくらいなのか?
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30代というと、役職付きになったり転職したりと、大きく収入が変わってくる人が多い。また、結婚や子育て、出産など、ライフステージも大きく変化する時期だ。
周りの同世代はどれくらいもらっているのか、気になるところである。そこで今回は、30代男性、女性の平均年収とおおよその中央値を紹介する。あわせて、平均年収の高い職種や都道府県別の年収ランキングもみていこう。


30代前半から後半にかけて、年収はどのくらい伸びている?


30代といっても32歳と38歳とでは就く役職や待遇にも差があるだろう。そこで30代前半から後半にかけて、どれくらい給与が伸びているのか調べてみた。
平均年収事情を都道府県別に調査 30代はどれくらいなのか?
出典:国税庁 平成28年分 民間給与実態統計調査「第10表 事業所規模別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額 その3 平均給与」p138

男性の30~34歳から35~39歳で伸びた額は、事業所規模によって約50万~59万円となった。全体としては、30代前半から30代後半にかけて平均55万円年収が伸びている。



平均年収を押し上げているのはどんな職種?


転職サービスDODAが2016年~2017年にかけて行った調査によると、30代全体の平均年収は455万円となっていた。
一見して少々高いと感じる人もいるかもしれない。そこで30代のうち、とくに平均年収が高く、全体の数値を引き上げている職種が何なのかを見てみよう。
下記は同調査結果から得られた、職種別の平均年収ランキングである。

1位は投資銀行業務で1155万円だった。2位以下は戦略・経営コンサルタント(854万円)、運用(834万円)、証券営業(719万円)、医薬品メーカー営業(699万円)と続く。主に金融系で、知識やスキルによって賃金が高くなりやすい専門職が上位に並んだ。
また営業系も意外に強く、2職種がランクインしている。これらが平均値を引き上げているようだ。


日本人全体の中央値はだいたいどのくらい?


国税庁「平成28年分 民間給与実態統計調査」によると、2016年の1年を通じて勤務した給与所得者のうち、平均年収は次の結果になった。

男性:約521万円
女性:約280万円
合計:約422万円


平均だと男性は少々高いように思えるのではないだろうか。そこで中央値をざっくりと出してみよう。同調査結果の給与階級別の分布から数えると、ちょうど中間になる人が存在する年収幅は次のようになる。

男性:400~500万円の間
女性:200~300万円の間
合計:300~400万円の間

※国税庁「平成28年分 民間給与実態統計調査」第3表 給与階級別の総括表から算出

平均値よりも中央値に近い年収の人のほうが多いのではないだろうか。



都道府県別の30代平均年収 1位と最下位で約140万円の格差


47都道府県別の平均年収はどうなっているのだろうか。
DODAが 2013年10月~2014年9月末までの間に行った平均年収ランキング2014(対象は自社のサービスに登録したホワイトカラー系職種の正社員男女、約16万件)によると、次の結果になった。
都道府県別30代平均年収ランキング


上位5位は、東京都(491万円)、神奈川県(481万円)、長野県(472万円)、三重県(462万円)、千葉県・愛知県(455万円)だった。ちなみに30代の最下位は352万円の徳島県。1位の東京都と比べると139万円の差だ。
つまり平均年収は、地域によって約140万円近い格差があることになる。
その差は意外と大きいものだった。
(石原亜香利)