自動車やバイクのローンを滞納した場合のリスクと5つの対処法
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ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、多数のメディア編集業務に従事。その後、ファイナンシャルプランナー2級の資格を取得。FPとしての専門知識を活かし、カードローン、FX、不動産、保険など様々な情報におけるメディアの編集・監修業務を行ない、これまで計2000本以上の担当実績を誇る。ローン審査経験者などのインタビューなども多数行ない、専門知識と事実に基づいた信頼性の高い情報発信を心がけている。
自動車やバイクのローンで延滞すると、どんなリスクがあるのか気になる方も多いでしょう。結論からいうと、すぐに対処できれば大きな問題にはなりません。
しかし、長期間滞納した場合は、自動車やバイクを引き上げられてしまいますし、最悪の場合裁判所から差し押さえをされてしまう可能性もでてきます。
自動車やバイクのローンを滞納すると引き上げられる可能性がある
前提として、自動車やバイクのローンを組んだ場合、完済するまでは所有権がローン会社にあることがほとんどです。なぜなら、利用者が支払いできなかった場合の担保として、ローンで購入した自動車やバイクを設定するからです。
つまり、ローンの支払いが滞納してしまうと、担保として自動車やバイクを引き上げられてしまう可能性があるのです。とはいえ、滞納したからといって、すぐに引き上げを受けるわけではありません。
段階を踏んで引き上げがおこなわれるため、その前に滞納した金額を支払えば大きな問題にならないでしょう。
自動車やバイクのローンを滞納した場合の流れ
自動車やバイクのローンを滞納すると、以下の順番でリスクが発生します。
- 督促と遅延損害金が発生する
- 自動車やバイクの引き上げ通告を受ける
- 自動車やバイクの引き上げが実施される
- 引き上げで完済できない場合は残高の支払いが続く
- さらに返済が滞ると一括請求や差し押さえを受ける
1.督促と遅延損害金の発生
ローンの支払日に遅れてしまうと、「遅延損害金」と呼ばれる違約金が発生します。遅延損害金は、「支払残高」「遅れた日数」「遅延利率」によって算出されます。つまり、支払残高が多い状態で滞納が続いてしまった場合は、高額な違約金を支払わなければならないのです。
また、滞納するとローン会社から、電話や郵便での支払いの督促を受けるようになります。滞納から2週間ほどは、「支払いをしてほしい」との連絡を受けるだけですが、それでも支払いがおこなわれない場合は、次の段階に進んでしまいます。
2.自動車やバイクの引き上げ通告
滞納してから1ヶ月ほど経過すると、ローン会社から自動車やバイクの引き上げ通告がおこなわれるようになります。初めは電話や郵送による通告だけですが、応じない場合は、自宅訪問による勧告がおこなわれるでしょう。
ローン会社によって通告の期間は異なりますが、一般的に滞納してから1ヶ月~2ヶ月は通告が続きます。
Q.引き上げ通告以外のリスクは?
信用情報に滞納履歴が記録されます
自動車やバイクのローンに限らず、カードローンやクレジットカードの支払いに遅れた場合は、「滞納した」という情報が信用情報機関に保存されます。信用情報とは、新たにローンを組む際に必ず確認される情報のことです。信用情報に「滞納した」といったネガティブな情報があると「延滞するリスクのある人」と判断されてしまうため、新たにローンを組むことが難しくなります。
3.自動車やバイクの引き上げが実施される
引き上げ通告から、さらに1ヶ月ほど経過すると実際に引き上げが実施されます。引き上げは、原則として利用者の立会いが必要なため、本人との同意がなければ実行できません。
しかし、引き上げを拒否したり、無視し続けたりするとローン会社は、裁判所に対して強制執行の申し立てをおこなうため、回避することはできません。
なお、引き上げされた自動車やバイクは、一定期間保管されたのち売却され、支払残高にあてられます。売却されてしまうと、自動車やバイクを取り戻すことはできなくなるので注意してください。
4.自動車やバイクの売却後でも返済が続くケースがある
自動車やバイクの売却によって借入残高を満たした場合、ローンは全額返済扱いになります。しかし、自動車やバイクを売却しても残高が残っている場合は、さらに返済を続けなければなりません。
支払残高が残っている場合は、分割での返済を続けることになります。もしも、この分割支払いも滞納してしまった場合、さらに状況が悪化してしまうため注意してください。
5.さらに返済が滞ると一括請求や差し押さえを受ける
引き上げ後の分割返済をさらに滞納し続けると、ローン会社は利用者に対して「一括請求」をおこないます。そして、一括請求を受けた後に支払いを放置しつづけると、ローン会社は裁判所に対して法的拘束力のある「差し押さえ」の執行を依頼します。差し押さえの対象は以下の通りです。
差し押さえの対象
- 債権(給料や預金)
- 動産(家具や電子機器など)
- 不動産(家や土地)
すでに引き上げを受けている場合は、給料を差し押さえられる可能性が高いでしょう。給料を差し押さえられた場合、毎月得られる手取りが大幅に減ってしまうだけでなく、職場の人にも必ず伝わってしまうため、生活に大きな影響を及ぼす可能性が高いと考えられます。
自動車やバイクのローンを滞納しそうなときにできる対処法
自動車やバイクのローンを滞納しそうなときは、以下の方法で対処しましょう。
滞納しそうなときの対処法
- ローン会社に相談する
- 借り換えローンを利用する
- カードローンで一時的に補完する
- 自動車やバイクの売却手続きをしてローンの負担を少なくする
- どうにもならない場合は専門家に相談する
ローン会社に相談する
返済ができない場合は、必ずローン会社に連絡してください。また、支払いの目途がないからといって、ローン会社からの連絡を無視してはいけません。ローン会社に連絡をしない人や無視をしてしまう人は、返済する意思がないと判断されてしまうでしょう。
ローン会社に連絡をすれば、返済期日の相談に乗ってくれたり、今後の対処法を一緒に考えてくれたりします。まずは必ずローン会社に連絡をしましょう。
借り換えローンを利用する
銀行が扱うカーローンの中には、借り換え可能なところがあります。借り換えとは、現在契約しているローンから新たなローンに切り替えることをいいます。
契約しているローンよりも金利が低い金融機関に借り換えれば、利息負担を少なくできる可能性もあるでしょう。
ただし、金利の低いところに借り換えても、返済期間が長引いた場合は、利息負担が増えてしまうこともあるため、注意してください。
ここでは、銀行が扱うカーローンを紹介します。なお、バイクであっても下記のローンは利用できるため、自動車やバイクのローンで借り換えを考えている方は参考にしてみてください。
スターマイカーローン
スター銀行の扱うカーローンは、申込から契約までWEBで完結できるため、店舗に行く必要がない特徴があります。借り換えだけでなく、自動車関連の資金として利用できるため、幅広い利用ができるでしょう。
りそなマイカーローン
りそな銀行が扱うマイカーローンは、借り換えが可能です。公式サイトに簡単な比較表もあるため、得に利用できるかどうか分かりやすくなっています。
また、りそな銀行の住宅ローンを組んでいる場合は、年1.9%の金利で契約を結ぶことも可能です。もしも、りそな銀行の住宅ローンを利用している場合は、りそなマイカーローンを利用すると良いでしょう。
カードローンで一時的に補完する
不足している金額が1ヶ月分ほどの少額な場合、カードローンを利用して支払いをするというのもひとつの手段です。中でも消費者金融であれば、無利息サービスと呼ばれる利息の発生しない期間を設けてくれる場合があります。
無利息期間内に完済すれば、利息は1円もかかりません。完済できなかったとしても、利息負担を大きく減らすことができるでしょう。
とはいえ、むやみにカードローンを利用してしまうと、結果的に返済負担が増えていきます。カードローンを利用する場合は、返済期間と利用金額を決めたうえで利用しましょう。
ここでは、無利息期間に特徴のある消費者金融を2社紹介します。ご自身にあった消費者金融を探す参考にしてみてください。
プロミス
プロミスは、消費者金融の中でも年17.8%と上限金利が低く設定されたカードローンです。そのため、プロミスを利用すれば、他の消費者金融よりも利息負担を抑えられる可能性があります。
大手消費者金融カードローン | 金利 |
---|---|
プロミス | 年4.5%〜17.8% |
アイフル | 年3.0%~18.0% |
アコム | 年3.0%~18.0% |
SMBCモビット | 年3.0%〜18.0% |
レイク | 年4.5%〜18.0% |
上記の表の通り、プロミス以外は上限金利が年18.0%に設定されています。長期的な利用を検討されている方は、プロミスに申込してください。
また、プロミスは初めて借入した翌日から、無利息期間を適用してくれます。必要なタイミングから無利息サービスを開始できるでしょう。
レイク
レイクは、初めての契約であれば、特典サービスを選べる消費者金融です。特典が適用されている間は利息がかからないため、期間内に完済できれば借りた金額以上の支払いをする必要がありません。
レイクで選べる特典※
- 通常申込で30日間特典あり
- WEBで申込すると60日間特典あり
- 借入額5万円まで180日間特典あり
※特典は併用することはできません
自動車やバイクの売却手続きをしてローンの負担を少なくする
長期的に支払いが難しい場合は、自動車やバイクの売却手続きをするという方法もあります。早い段階で売却手続きをしてしまえば、信用情報に大きな傷はつきません。さらに、月々の返済負担を大きく減らすこともできるでしょう。
ただし、自動車やバイクがないと生活ができないという人はこの方法で解決するのは難しいでしょう。
どうにもならない場合は専門家に相談する
「返済の目途が立たない、借り換えやカードローンも利用できなかった」という人は、弁護士や司法書士といった専門家に相談しましょう。
専門家に相談すれば、今後どのように動けばいいのか相談に乗ってくれます。場合によっては「債務整理」の手続きもおこなってくれます。
債務整理をすれば、自動車やバイクを引き上げずに月々の支払い負担を大きく減らすことが可能です。ただし、債務整理をした場合、5年から10年間は、新たなローンやクレジットカードの契約ができなくなるため、注意してください。
まとめ
自動車やバイクのローンを支払えない場合、以下の流れでリスクが発生します。
- 督促と遅延損害金が発生する
- 自動車やバイクの引き上げ通告を受ける
- 自動車やバイクの引き上げが実施される
- 引き上げで完済できない場合は残高の支払いが続く
- さらに返済が滞ると一括請求や差し押さえを受ける
支払いを放置し続けた場合、状況は悪化し続けるので早い段階で対処しましょう。
滞納しそうなときの対処法
- ローン会社に相談する
- 借り換えローンを利用する
- カードローンで一時的に補完する
- 自動車の売却手続きをしてローンの負担を少なくする
- どうにもならない場合は専門家に相談する
利用者の状況によって適切な対処法は異なりますが、「ローン会社への相談」だけは必ずおこないましょう。ローン会社に相談をしないまま、滞納を続けてしまうと「支払の意思がない」と判断されてしまいます。
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社名:新生フィナンシャル株式会社
登録番号:関東財務局長(10) 第01024号 日本貸金業協会会員第000003号
電話番号:0120-09-09-09
貸付条件
貸付利率:4.5%~18.0%(年率)
※貸付利率はご契約額およびご利用残高に応じて異なります。
融資限度額 :1万円~500万円
返済方式:残高スライドリボルビング方式・元利定額リボルビング方式
必要書類:運転免許証等
※収入証明(契約額に応じて、新生フィナンシャルが必要とする場合)
返済期間・回数: 最長5年・最大60回
※融資枠の範囲内での追加借入や繰上返済により、返済期間・回数は変動します。
利用対象:満20歳~70歳(国内居住の方、日本の永住権を取得されている方)
収入条件:安定した収入のある方(パート・アルバイトで収入のある方も可)
遅延損害金: 20.0%(年率)
担保・保証人: 不要
※ご契約には所定の審査があります。貸付条件を確認し、借入と返済のバランスを考えて計画的に利用しましょう。
無利息に関して
・Webで初めてお申込みで60日間無利息
・初回契約翌日から無利息適用となります
・無利息期間経過後は通常金利適用となります
・Web以外の無人店舗やお電話で申込むと、お借入額全額30日間無利息またはお借入額5万円まで180日間無利息のどちらかになります。
※60日間無利息(Webでのお申込み限定)、180日間無利息それぞれ契約額1~200万円まで。
※30日間無利息、60日間無利息(Webでのお申込み限定)、180日間無利息それぞれの併用はできません。
Q.引き上げのないローンは存在しない?
ファイナンシャルプランナー|村上敬
銀行が扱うローンなら引き上げがない可能性があります
一般的に自動車ローンは、「ディーラー」「信販会社」「販売店」「銀行」が扱う4種類あります。その中でも銀行が扱うローンの場合、自動車やバイクの所有権を最初から利用者に設定していることが多いため、滞納しても引き上げを受けることはありません。しかし、滞納を続けた場合、裁判所からの差し押さえを受ける可能性があります。差し押さえの対象の中には、自動車やバイクも含まれるため注意してください。