今回記事でご紹介するのは1985年に角川文庫から刊行された宗田理の小説、『ぼくらの七日間戦争』のあらすじです。
本作はベストセラーとなって社会現象を巻き起こし、以降『ぼくら』シリーズは息の長い看板作品となります。
実写映画は女優・宮沢りえのデビュー作品にあたり、三十年以上の歳月をこえ、2019年のアニメ映画に声優出演したことでも話題を呼びました。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『ぼくらの七日間戦争』のあらすじ
主人公は中学1年生の快活な少年、菊地 英治(きくち えいじ)。

東京下町で両親と暮らす栄治は、こと悪戯に関しては天才的な閃きと行動力を持ち、男子の絶大な支持を得ていました。
一学期の終業式の日、英治を含めた1年2組の男子が行方不明になる事件が発生。
動揺する教師や保護者をよそに、2組の男子は荒川河川敷の廃工場に立てこもり、ここを解放区にすると宣言します。
英治たちが廃工場を占拠した背景には、体罰によって大怪我を負った、谷本 聡(たにもと さとし)の存在が関係していました。
女子を仲間に引き入れなかったのは不順異性交遊を警戒した為です。
立てこもりのリーダーは英治ですが、彼に入れ知恵したのは親友の相原 徹(あいはら とおる)でした。
他、家庭内暴力の末に事故で働けなくなった父親に苦労している不良の安永 宏(やすなが ひろし)、おっとり肥満児の日比野 朗(ひびの あきら)、暗号が得意の中尾 和人(なかお かずと)も参加しています。
勉強を強要する親や校則で雁字搦めにする教師に反旗を翻した英治たちを、予想外のトラブルが襲います。
作戦に参加予定だった男子生徒・柿沼 直樹(かきぬま なおき)が、何者かに誘拐されてしまったのです。
囚われの直樹の身を案じるものの、敵対している親や警察に応援を頼むわけにもいかず、途方に暮れる一同。
そんな時、廃工場で謎の老人・瀬川 卓蔵(せがわ たくぞう)と出会います。
瀬川は英治たちが来る前から廃工場で寝泊まりしていたホームレスで、豊富な人生経験を持ち、様々なアドバイスをしてくれます。
手の指が欠けているのは戦争で爆撃を受けたからだと語りました。
英治たちは瀬川に協力を求め、悪辣な誘拐犯の手から直樹を取り戻すべく、知恵を絞って反撃を開始しました。
しかし問題は山積みで、教師陣がバリケートを破り、工場になだれこんできます。
教師と警官は英治たちが仕掛けたトラップに苦戦し、立往生を余儀なくされます。
外で待機する女子グループと密に連絡を取り合い、上手に連携したのも吉と出ました。
立てこもりが長引く中、隣町の市長の汚職を知った英治たちは義憤に駆られ、談合の生中継を試みます。