今回の記事でご紹介するのは、デカダンスな学ラン美少年たちが暗躍する、『ライチ☆光クラブ』(古屋兎丸)のあらすじです。
作者の古屋兎丸は、サブカルチャーとアンダーグラウンドな作風でカルト的人気を誇る漫画家です。
『ライチ☆光クラブ』は太田出版の雑誌『マンガ・エロティクス・エフ』に連載され、実写映画化も果たしています。
2012年にはテレビアニメが放送され、ファン待望の舞台化も実現しました。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『ライチ☆光クラブ』(ライチひかりクラブ)のあらすじ
舞台は不景気な工場街、螢光町。
その片隅に秘密基地「光クラブ」を作り、夜な夜な集会を催す9人の中学生たちがいました。
リーダーは圧倒的カリスマ性と天才的頭脳を持ったゼラで、彼が光クラブを統率しています。
他の8人はゼラを崇め、命令に従っています。
学ランを着込んだ光クラブのメンバーは、ドイツ語を合言葉に用い、挨拶代わりの敬礼でゼラに忠誠を示します。
ある夜、通りすがりの女性が秘密基地を覗いてしまいます。
光クラブに捕まった女性は「きみ、常川(つねかわ)くんでしょ!?」とゼラの本名を叫び、一同を戦慄させました。
彼女の正体は光クラブのメンバーが在籍する螢光中の教師で、ゼラたちの不審な行動を以前から怪しんでいたのです。
ゼラは女教師に「ここではゼラと呼ばれている」と告げ、他のメンバーも通称で呼び合い、身の程知らずな捕虜を厳しく戒めます。
光クラブは欲の奴隷と成り果てた醜い大人を蔑み、自分たちだけの理想の世界を築こうとしていました。
そのための兵器としてロボット開発に着手し、楊 貴妃(よう きひ)が愛したライチを燃料に動く異形のロボット、「ライチ」を生み出します。
悪魔の数字666を入力され起動したライチは、光クラブの期待を一身に背負い、夜の街に送り出されました。
ライチに与えられた目的は光クラブの象徴となる美しい少女の捕獲。
しかし美の概念に無知なライチは醜く汚い大人ばかりを拉致し、ゼラを大いに失望させます。
光クラブの元リーダー・タミヤは、ゼラの偏った思想を危険視し、クラブを取り戻したいと願っていました。
ゼラも裏切り者の存在を疑い、参謀のジャイボに相談します。
ゼラの熱烈な信奉者・ニコは、タミヤに対する敵意を剥き出し、さらに監視を強化します。
裏切り者捜しが激化する中、プログラミング担当のデンタクはライチに「私は人間だ」とインプット。
自分を人間だと思い込んだライチは、雷蔵(らいぞう)とヤコブから美の概念を刷り込まれ、遂に美少女の拉致に成功するのですが……。