人は絶対に死ぬ。事故死、病死に老衰死。

死因はいろいろあるけれど、とにかく僕らはみんな死ぬ。そういうふうにできている。


さて、あなただって自分の老後のビジョンを描いたことぐらい、きっとあるはずだ。家族に囲まれ、愛し愛され最期を迎える光景を描いている人もいるだろうし、一人で管だらけになって病院のベッドに横たわっている末期を想像する人もいるだろう。僕の場合は、どこかの古いアパートで孤独に冷たくなっているような気がしないでもない。(文:松本ミゾレ)


「親友とお互い結婚しなかったら老後はそばに住もうって言い合ってる」


人によっては「寂しい最期は嫌だ!」と頭を抱えたくなるのかもしれないが、これを防ぐにはどうすればいいのか。

現状では結婚し、子をなし、身寄りにアテを作っておくことが重要だが、これは考えようによっては残酷だ。自分が孤独に死にたくないばかりに伴侶を求め、子供を作り、安心をしたがっているのだから。


まあそんな話はさておき、本題に移りたい。先日、おーぷん2ちゃんねるの「生活板」に、面白い意見が書き込まれていた。以下がその内容だ。



「老後の心配をして妙な異性と結婚するくらいなら老後は気の合う友人とシェアハウスした方がいいのでは? と思う。

揉めに揉めたり不満を溜め続けたりで結局離婚して疲れ果ててる人を見ると特にね。だいたいそういう人たちは、聞くともう良い年齢だから結婚しなきゃって焦って結婚したパターンが多い。焦りって人の目を曇らせるよね」


いるよね、たしかに。焦って婚活して、正直何も惹かれる部分がない相手と無理に結婚して、案の定……って人。まあ「この人しかいない!」みたいに思ってラブラブで結婚したのに、すぐに愛想を尽かし合う男女もいるので、別にどれが悪いとか正しいとか言う話でもないけども。


老人同士でシェアハウス? それなら老人ホームで良くない?


この意見に対しては、掲示板でもいろんな意見が寄せられていた。

いくつか引用のもと、紹介したい。



「みんな考えること似てるねw同じく親友とお互い結婚しなかったら老後はそばに住もうってよく言い合ってる」
「似たようなことをかなり仲良くつき合ってた同性の友人に持ち掛けられて断った。相手が体弱くて精神的なストレス対処で熱が出るタイプなのでトラブルが起きたら十中八九役立たずになる。今はまだ自分にも体力があるからカバーしてられるけど、お互い高齢になったら自分にかかる負担がこなせなくなるおそれもあるしなー」
「未婚の友人と、今は職場が遠すぎて無理だけど『年金もらえて仕事辞めれる年齢になったら一緒に住もうね』って約束してる」


とまあこんな感じ。賛否あるようだ。


僕としては、これ正直な意見として書かせてもらうと老後のシェアハウス生活なんぞ「夢物語」だと思う。

老人同士が穏やかにつつがなくシェアハウスで共生するなんて、現実的ではない。故あってずっと独身で過ごしてきた老人なんてのは、世間を見渡せばみんな大なり小なり癖が強いものだし。


それに僕は、自分がジジイになってから、トイレ掃除で他の老人の便のこびりついた便器の掃除なんかしたくない。それがどんなに仲良しの老人のものであろうと。


また、「具合が悪いんじゃ」とか言って家事をサボる人も出るだろうし、僕がそんなクソジジイになる可能性もある。共同生活を高齢者になってからやるなんて、無理があるという話だ。

キッチンに並ぶ入れ歯の入ったコップを、想像すらしたいと思わない。


大体結婚もせずに若い時代を使い潰した人間たちが、たとえ元々友人同士とは言え、後期高齢者になって寄り添ってトラブルが生じないと思うほうが変だ。結婚という契約もしていないのに「老人になってから仲良くしましょうよ」なんてこと、果たしてみんなマジでできるんだろうか……。


というか、今ですら老人は賃貸を借りるのも審査なかなか厳しいわけだし、素直に老人ホーム一択! 下手に老後に夢を見る前に、2000万貯めて死ぬまでホームにご厄介になれる自分になっておこう!