それもそのはずだ。裁判長は、それ以前の和解斡旋の場で、ニヤニヤしながら「芸能界っていうのは、わからないところですね」と平然として言ってのけたのだ。芸能界のことがわからない裁判官が、芸能界の裏側を報じた記事を裁いたわけだ。そんな判決を認めるわけにはいかない。
筆者がこれまで、ことあるごとに訴えてきたことは、周防がマスメディアを、時には過剰な接待攻勢で篭絡しながら、その一方では、闇社会との黒い交際を背景に暴力性をチラつかせ、それでも従わなければ法的手段に訴えるという手段でドンの座に君臨してきたという点。その体質は、20年以上も変わらないことに警鐘を鳴らしてきたのだ。社会に多大な影響力をもつマスメディアは、公正中立が大原則。たかが芸能といえども、特定の勢力に加担するようなことはあってはならないのに、マスメディアはそんなドンの影響下に置かれてきた。
さらに、ここ数年、周防の高校の同級生である芸能プロ・ケイダッシュの川村龍夫会長が、周防と同様に"芸能界のドン"を気取っている。毎年1月に開かれ、いまや芸能界の恒例行事となった川村の誕生日祝いを兼ねた事務所の新年会には、今年もあふれんばかりどころか、あふれることがわかっていながら、業界関係者が大挙してお祝いに駆けつけたという。
そもそも、お客が1000人以上集まることをわかっていながら、半分のキャパシティしかない会場で開催。入場者は会場の前に列をつくり、ごった返す場内では、事務所スタッフが川村の居場所を知らせるためのプラカードを持って歩いていたという。あまりにも滑稽だ。
川村が率いるケイダッシュでは、昨年、所属していたフリーアナの川田亜子さんが自殺。しかも、川村の腹心と言われた谷口元一という役員が川田さんと関係があったといわれているにもかかわらず、会社の最高責任者であるはずの川村自身は説明をしないし、社会的責任も明らかにしない。
周防が"ドン"として君臨、川村が"ドン"を気取る以上、筆者はこれからも2人の行動をマークし、批判すべきところは徹底的に批判していくつもりだ。
もちろん今回も、判決を不服として控訴するつもりだ。ただ、不安なのは、芸能界の実態を知らない司法の場で戦うことだ。そのためにも、勇気ある皆さんの協力がほしい。
(本多圭)
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