日水製薬株式会社が、株主優待を廃止することを、2020年10月29日の14時に発表した。

 日水製薬の株主優待は、毎年9月末と3月末時点の株主を対象に実施されており、従来の内容は「100株以上の株主に『QUOカード』500円分、500株以上の株主に『選べるギフト』2000円相当、1000株以上の株主に『選べるギフト』5000円相当を、それぞれ年2回贈呈」というものだった。

 しかし、この株主優待は2020年3月末時点の株主に実施された分を最後に、廃止となる。

 日水製薬が株主優待を廃止する理由は「今般、当社を取り巻く昨今の経営環境を鑑み、また株主様への公平な利益還元のあり方の観点から慎重に検討を重ねました結果、配当による利益還元を今後も安定的に実施していくことを優先して、株主優待制度を廃止することといたしました」とのことだ。
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 なお、日水製薬は株主優待の廃止の発表と同時に、2021年3月期の第2四半期の連結業績と、これまで「未定」としていた通期の連結業績予想、さらに配当予想の発表も行っている。中間配当は10円、期末配当の予想も10円で、年間配当金は20円予想となり、前期比では10円の減配となる。

廃止される日水製薬の株主優待制度の詳細と利回りは? ■廃止される日水製薬の株主優待制度の詳細 基準日 保有株式数 株主優待内容 9月末・3月末 100株以上 QUOカード500円分(×年2回) 500株以上 選べるギフト2000円相当(×年2回) 1000株以上 選べるギフト2000円相当(×年2回)

 日水製薬の2020年10月29日時点の終値は1031円なので、株主優待が廃止されなければ、株主優待利回りは以下のようになっていた(※年2回、株主優待を受けたものとして計算)。

(100株保有の場合)
 投資金額:100株×1031円=10万3100円
 優待品:QUOカード1000円分
 株主優待利回り=1000円÷10万3100円×100=0.96%

(500株保有の場合)
 投資金額:500株×1031円=51万5500円
 優待品:選べるギフト4000円相当
 株主優待利回り=4000円÷51万5500円×100=0.77%

(1000株保有の場合)
 投資金額:1000株×1031円=103万1000円
 優待品:選べるギフト1万円相当
 株主優待利回り=1万円÷103万1000円×100=0.96%

 日水製薬の株主優待は、「QUOカード」や「選べるギフト」だったが、2020年3月実施分で「廃止」となることが発表された。いずれも個人投資家に人気のある優待内容だったため、失望している株主は多そうだ。なお、日水製薬は同時に、2021年3月期の第2四半期の連結業績と、これまで「未定」としてきた通期の業績予想、さらに配当予想も発表している。第2四半期の連結業績は前年同期より大幅な減収減益となり、配当予想も前期比で10円の減配予想となった。これらの発表は10月29日の14時に発表されたが、発表後から株価は下落。終値は、前日終値1072円より41円安い1031円(-3.82%)で引けている。
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 日水製薬は日本水産のグループ会社で、臨床診断薬・産業試薬などを手掛ける研究開発型の製薬会社。

10月29日に発表した2021年3月期(通期)の連結業績予想は、売上高が104億円(前期比18.6%減)、営業利益が6億3000万円(前期比45.0%減)、経常利益が7億3000万円(前期比26.4%減)、当期純利益が4億9000万円(前期比21.9%増)。

■日水製薬業種コード市場権利確定月医薬品4550東証1部9月末・3月末株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り1031円100株10万3100円1.93%※株価などのデータは2020年10月29日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。
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