日水製薬の株主優待は、毎年9月末と3月末時点の株主を対象に実施されており、従来の内容は「100株以上の株主に『QUOカード』500円分、500株以上の株主に『選べるギフト』2000円相当、1000株以上の株主に『選べるギフト』5000円相当を、それぞれ年2回贈呈」というものだった。
しかし、この株主優待は2020年3月末時点の株主に実施された分を最後に、廃止となる。
日水製薬が株主優待を廃止する理由は「今般、当社を取り巻く昨今の経営環境を鑑み、また株主様への公平な利益還元のあり方の観点から慎重に検討を重ねました結果、配当による利益還元を今後も安定的に実施していくことを優先して、株主優待制度を廃止することといたしました」とのことだ。
【※関連記事はこちら!】
⇒株主優待を「廃止・改悪」する銘柄を見極める“3つの特徴”に注意!「株主優待の新設直後・優待品がQUOカード・業績悪化に伴う減配や無配」の3点には要警戒!
なお、日水製薬は株主優待の廃止の発表と同時に、2021年3月期の第2四半期の連結業績と、これまで「未定」としていた通期の連結業績予想、さらに配当予想の発表も行っている。中間配当は10円、期末配当の予想も10円で、年間配当金は20円予想となり、前期比では10円の減配となる。
廃止される日水製薬の株主優待制度の詳細と利回りは? ■廃止される日水製薬の株主優待制度の詳細 基準日 保有株式数 株主優待内容 9月末・3月末 100株以上 QUOカード500円分(×年2回) 500株以上 選べるギフト2000円相当(×年2回) 1000株以上 選べるギフト2000円相当(×年2回)日水製薬の2020年10月29日時点の終値は1031円なので、株主優待が廃止されなければ、株主優待利回りは以下のようになっていた(※年2回、株主優待を受けたものとして計算)。
(100株保有の場合)
投資金額:100株×1031円=10万3100円
優待品:QUOカード1000円分
株主優待利回り=1000円÷10万3100円×100=0.96%
(500株保有の場合)
投資金額:500株×1031円=51万5500円
優待品:選べるギフト4000円相当
株主優待利回り=4000円÷51万5500円×100=0.77%
(1000株保有の場合)
投資金額:1000株×1031円=103万1000円
優待品:選べるギフト1万円相当
株主優待利回り=1万円÷103万1000円×100=0.96%
日水製薬の株主優待は、「QUOカード」や「選べるギフト」だったが、2020年3月実施分で「廃止」となることが発表された。いずれも個人投資家に人気のある優待内容だったため、失望している株主は多そうだ。なお、日水製薬は同時に、2021年3月期の第2四半期の連結業績と、これまで「未定」としてきた通期の業績予想、さらに配当予想も発表している。第2四半期の連結業績は前年同期より大幅な減収減益となり、配当予想も前期比で10円の減配予想となった。これらの発表は10月29日の14時に発表されたが、発表後から株価は下落。終値は、前日終値1072円より41円安い1031円(-3.82%)で引けている。
【※関連記事はこちら!】
⇒【11月の株主優待の内容&利回りを調査(2020年版)】ホテル無料宿泊券のサムティ、定番のアヲハタほか、タマホームなどの高利回りなQUOカード優待も注目!
日水製薬は日本水産のグループ会社で、臨床診断薬・産業試薬などを手掛ける研究開発型の製薬会社。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。