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■【遊助祭2018「和」~あの・・わ なんですケド。~】レポート
2018.09.15(SAT) at 埼玉・大宮ソニックシティ

開演を待ちわびる「かっとばせー! 遊助ー!」というお馴染みのコールが客席から湧き上がる中、ステージから流れ始めたピーヒャラピーヒャラという祭り囃子の音。
ざわめく客席にカンカンカン!と拍子木が甲高く打ち鳴らされると、まだ客席の電気は点いたままの中、遊助が姿を現した。そして意を決したように客席に背を向けると、ステージ2階に置かれた大きな和太鼓に対峙した。次第に客席の電気が暗くなり始め、ものものしい雰囲気に客席が静まり変える中、「そーりゃっ!」と威勢良く和太鼓を独奏した。

間髪入れずホラ貝がブォォォンと吹かれ、ライブは今年5月発売の最新アルバム『あの・・こっからが山場なんですケド。』に収録された「リベンジ」から勇ましくスタート。続けて力強いアッパーチューン「イナヅマ侍」を繰り出し、「メチャクチャ楽しみにしてた人! 遊ぼうぜ! うりゃ!」という掛け声からお祭りビートな「一笑懸命」をドロップ。
場内のボルテージが一気に高まっていった。

今年7月5日の東京・八王子公演から始まった今回のツアー『遊助祭2018「和」~あの・・わ なんですケド。~』は、文字通り「わ」がテーマ。遊助の和太鼓演奏から始まったオープニングのブロックは、まさに「遊助祭」というツアータイトルを象徴するお祭りムードいっぱいのパフォーマンスだったし、他にもいろんな「わ」が散りばめられていた。
 
たとえば「ひまわり」「街」とノスタルジックなナンバーを連続披露した次のブロックは“和みのわ”。今回のツアーでは遊助がブルースハープとアコースティックギターを初披露したのだが、丸眼鏡を掛けた遊助がスツールに腰掛け、ハープとアコギの弾き語りで演奏された「みんな頑張ってる」は、昭和フォークのような趣があった。
秋の風景が浮かぶ鈴虫の鳴き声のあと、♪ねんねんころりよ♪と歌うおばあちゃんの子守歌に続いて演奏された「ばーちゃんの背中と僕の足」「しだれ花火」も昭和風情。「しだれ花火」では女性ダンサーがピンクの番傘を使って踊っていたから昭和を飛び越えて江戸時代までタイムスリップするような感覚も覚えた。

その後はコミカルな時代劇も披露。物語の舞台は戦国時代で、劣勢を強いられている殿様役にライブでDJを務めているN.O.B.B、その家来役に遊助が扮し、アドリブ全開の軽妙な掛け合いで客席をドカンドカンと笑わせた。その時代劇は、戦国時代にもかかわらず、二人が戦場でDJブースを見つけ、足を踏み鳴らす音や刀で切る音など、動作に効果音がつくと力が湧いてくることを発見するというストーリー。そこから舞台は遊助やダンサーが繰り広げるSTOMPショーに繋がり、さらに2つの和太鼓とオープニングで登場した大太鼓が打ち鳴らされる迫力のパフォーマンスへと発展。
和太鼓が刻む小気味良いビートにN.O.B.Bがスクラッチを合わせ、さらに躍動感が増したところで、高速アッパーチューン「雷鳥」へとなだれ込んでいった。
 
倭の国のお祭りとカリブ生まれのソカ、さらにブラジルのサンバを掛け合わせたかのような「雷鳥」を和太鼓とスクラッチを駆使して演奏するスタイルはまさに和魂洋才。音もパフォーマンスもド派手で賑やかなことこの上ないパフォーマンスでライブはラストスパートに突入し、続く「雄叫び」「チャンピオン」で場内の熱気は最高潮に達した。

その後のMCでは「今年ソロで10年目を迎えられました。改めてありがとうございます」と会場に詰めかけたファンに感謝を伝えた遊助。客席のあちこちから「おめでとー!」という声が上がる中、「いろんな人を楽しませたくて、昨日より今日とガムシャラにやってきた」と続け、「目の前にいる人を楽しませられるチャンスを与えてくれてありがとう」と挨拶。
そして「これからもみんなに教わりながら、今日より明日、今年より来年と頑張っていく。みんなも一緒に頑張っていきましょう」と声を掛け、♪楽しんでんの? 楽しんで行こう!♪と歌う「C.H.O」を魂込めて歌唱。最新アルバム幕開けの曲を本編最後に歌うことで、ここからまた始まっていくことをメッセージし、遊助はいったんステージをあとにした。

オープニングよりさらに大きな「かっとばせー! 遊助ー!」というコールに迎えられて始まったアンコールは、遊助の歌手デビューのキッカケとなった羞恥心の代表曲を10年の月日を経てセルフリメイクした「羞恥心の心」でスタート。続けてキャリア最初期からのライブ定番曲「ミツバチ」を投下し、再び客席をヒートアップさせていく。
 
さらにその後のライブには、とっておきのサプライズが待っていた。
これまでのツアーでも同会場で複数回公演があるときは、できる限りどちらかの演目を変えたり、ゲストを迎えるなどしてファンサービスしてきた遊助だが、大宮ソニックシティー公演初日のこの日は、続く「常勝」で遊turingした山猿が1日限りのスペシャルゲストとして飛び入り。突然のゲストに客席がどよめく中、二人はありたっけの力を込めた全力パフォーマンスを繰り広げ、会場は興奮と熱気に包まれた。

この日のライブでは「昨日の自分に勝つこと、昨日の自分に負けないように」ということを常に伝えていた遊助。この日最後のMCでは「みんなにも山場がいっぱいあると思います。それぞれの山の高さはバラバラで、登り方も違えば、山の種類も違うし、夢を見失っちゃったとか、心が折れかけたりとか、悲しいことにどう立ち向かえばいいかとか、自分の気持ちだけじゃなんとかならないときもあるかもしれない」と切り出してから「雑草より」を熱唱。“悩んだっていい それは確かめるため/考えりゃいい それは前に進むため”と集まったクルーに遊助なりの雑草魂をメッセージした。


そしてラストは少しシリアスになった空気を取り払うように「みんなのうた」を繰り出し、遊助、ダンサー、DJ、オーディエンス、スタッフ……全員が振付に合わせて一緒に踊り、場内をひとつのわ(輪)に。会場には晴れやかな笑顔が咲きあふれ、最高にハッピーなヴァイブスが広がって、この日のライブは幕を閉じた。
(取材・文/猪又 孝)

≪セットリスト≫
1. リベンジ
2. イナヅマ侍
3. 一笑懸命
4. ひまわり
5. 街
6. Feel it
7. stop stop stop
8. みんな頑張ってる
9. 檸檬
10. ばーちゃんの背中と僕の足
11. しだれ花火
12. 雷鳥
13. 雄叫び
14. チャンピオン
15. C.H.O
<ENCORE>
1. 羞恥心の心
2. ミツバチ
3. 常勝 遊turing 山猿
4. 雑草より
5. みんなのうた

≪ライブ情報≫
【10th Anniversary Live -偶然!?- 】
2019年2月28日(木)日本武道館

【10th Anniversary Live -必然!!- 】
2019年3月11日(月)大阪城ホール

≪リリース情報≫
25th Single
『俺と付き合ってください。』
2018.10.31リリース

【初回生産限定盤A】CD+DVD
SRCL-9947~48 / ¥1,850(税込)
[収録曲]
1. 俺と付き合ってください。
2. 美女の野獣
3. Voyager
4. 俺と付き合ってください。-Instrumental-
<DVD>
1. 俺と付き合ってください。Music Video
2. 俺と付き合ってください。Recording Document

【初回生産限定盤B】CD+DVD
SRCL-9949~50 / ¥1,850(税込)
[収録曲]
1. 俺と付き合ってください。
2. 美女の野獣
3. Voyager
4. 俺と付き合ってください。-Instrumental-
<DVD>
1. ひまわり荘7

【通常盤】CD
SRCL-9951 / ¥1,300(税込)
※初回仕様トレーディングカード封入(4種類のうち1種類)
[収録曲]
1. 俺と付き合ってください。
2. 美女の野獣
3. Voyager
4. 真夏のBig Up!

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