※イメージ画像:『電気グルーヴ、石野卓球とその周辺。』誠文堂新光社

 テクノユニット「電気グルーヴ」の石野卓球(46)が、人気漫画『モテキ』(講談社)などで知られる漫画家の久保ミツロウ(38)からのラブコールに「クソババア」「ドブス」などと暴言で嫌悪感を示し、これに激怒した周囲を巻き込んでの炎上騒動になった。

 事の発端となったのは、13日に久保が出演したラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)。番組中、久保は「人生で一番影響を受けたのは電気グルーヴで卓球さんが好き」「(自分が)卓球になりたいくらいで、ラジオ番組も大好きだった」とラブコール。だが、心当たりはないものの「卓球さんにTwitterでブロックされている」と明かし、さらに「こういう風にメディアで『石野卓球にブロックされてる』って口にするのも、向こうにとっては嫌なのかな」などと語った。

 この番組をたまたまリアルタイムで聴いていた卓球は、自身のTwitterで「タクシーでラジオ聞いててあてられる。クソババア マジギブ」「阪急無礼ブス」「ドブス被害中」などと過激な言葉で不快感を表明。卓球ならではの毒舌芸という見方もあったが、彼は「これマジな」と念を押した上で「あいつの口から俺の名前が出ること自体が不快!ブロック解除するからあっちいって!新しい暴力ふるわれた」とツイートした。

 さらに卓球は「ズリネタにしてやる!」と突然言い出したが、その数分後に「色々なコスチュームやシチュエーション性別交換はてはスカトロまで想像して頑張ってみましたが無理でした。無念」などと書き込んだ。この事態を察した久保は「ラジオ終わったら一番最悪なことになってたと気づいたところです」と自身のTwitterで切なそうに反応した。

 この一連のやり取りに対し、両者のファンの間では賛否両論。だが、久保の周囲の女性たちはハッキリと怒りの声を上げた。

 久保の親友でテレビ番組などでも共演している文筆家の能町みね子は、15日に自身のTwitterで「できるだけ言及したくはないんだけど石野とかいうドブス男がやってることを『いい話』とか言ってる人死ねばいいのにね。

石野もろとも」などと激高。今回の騒動が「一方的にファン個人を罵倒し愚弄しまくった事件」であるとし、卓球を擁護する人たちに対しても「石野が会ったことすらないはずの個人に対して最悪の罵り方をしたという件について『どっちにつくか悩む』って何なの、罵倒する方につくか悩んでる時点でおまえらも死ねや」などと怒りを表明した。

 また、人気漫画『臨死!!江古田ちゃん』(講談社)などで知られる漫画家の瀧波ユカリも「気持ち悪い発狂おじさんだよ、石野卓球」と同日にTwitterで騒動に触れた。瀧波は「会ったこともなくケンカを売られたわけでもない相手にあれだけの暴言ツイートをするなんて到底理解できないし、社会性が著しく欠如していると思います」と卓球を切り捨て、さらに「卓球氏とファンとの間では誰かを貶める発言が当たり前に交わされてきた、とか聞くと、ますます気持ち悪さが募るだけだよ~」と嫌悪感をあらわにしている。これ以外にも、主に女性からネット上で卓球批判が巻き起こっていた。

 だが瀧波が言及しているように、ファンや有名人に対する卓球の暴言は昔からの芸風という見方があり、特に電気グルーヴのラジオ番組では日常的に見られた光景。

かつて久保は「『電気グルーヴのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)を聴いて人生が変わった」と発言したことがあり、だとすれば卓球のキャラを十分に知っていたはずだろう。

 また、電気グルーヴの初期の楽曲「ブス女 <B・A・S・S>」では、作詞・作曲を手掛けた卓球が「君はとってもブスだから 僕と一緒に歩く時には 僕の後ろを離れて歩け」などと歌い上げている。これらの表現の是非は別にしても、卓球のスタンスは昔から少しの歪みもなく一貫しており、久保を含めて彼を熱狂的に支持しているコアな女性ファンが多いのも事実。今回の騒動も「卓球とファンの戯れ」という見方をしている人も少なくなかった。

 そんな中、当の久保は15日深夜に卓球と電話したことをTwitterで報告。久保によると卓球の第一声は「やっと会えたね」だったといい、中山美穂と辻仁成のエピソードをネタとしてブチ込んできたようだ。

卓球は久保をブロックした理由について「おすすめユーザーに必ず上がってくるから邪魔で何となく」と説明し、さらに「久保さんは美人ですよ、顔見たことないけど。考え方がブスっぽい」と微妙な言い回しでフォロー。さらに「勃起してる。二回いった」とも語ったという。それ以外にも話をしたようだが、久保は緊張していたせいか「後はよく覚えてません!」と綴っている。

 一方の卓球も「美人すぎる漫画家と生電話」とTwitterで報告。

続けて「ミツロウでオナろう」と書き込み、一度はあきらめた自慰行為に挑戦する意欲を見せた。だが女性たちからの批判に懲りたのか、フォロワーからのコメントに答える形で「ブスとかババアって言うと怒る美女軍団がいるんで止めます」と、一連のやり取りに終止符を打つ発言もしている。

 どうやら結果的には、卓球と彼の熱狂的ファンの部外者からはうかがい知れない独特な関係性に沿った「大団円」を迎えたようだ。卓球を批判していた女性たちはハシゴを外されるような格好になったが、久保は自分のために激怒してくれた親友の能町と直後に会って「能町さんがいてよかった」と乾杯したことを明かしており、こちらの友情にも変わりはなかったようである。

 一応はキレイに収まったかのように思えたが、一部では久保が原作を手掛けるドラマ『アゲイン!!』(TBS系/22日深夜スタート)の放送と、電気グルーヴの25周年記念東名阪ツアー「塗糞祭(とふんさい)」の開催発表の時期が重なったこともあり、一連の騒動が「宣伝目的のヤラセだったのでは」との声も上がっている。だが、もし仮にそうであっても久保の卓球に対する愛情は疑いようがなく本物だろうし、それに暴言で応える卓球の変わらぬキャラクターも偽りのないものだろう。

 久保と卓球の両者共通のファンはハラハラしながら事態を見守っていたようだが、どちらかの肩を持ってもう一方を否定しなくてはならないような悲しい事態にはならず、胸をなでおろしているようだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)