リニア走行試験装置構成図

JR東海は超電導リニア技術のブラッシュアップや建設・運営・保守の効率化を目指し、実際に車両を走行させることなく模擬的に試験を行う「リニア走行試験装置」を小牧研究施設(愛知県小牧市)に新設しました。

小牧研究施設では実物大の試験装置を使って技術開発を行っており、その成果はN700系、N700A、N700Sなどで実用化されています。

リニア走行試験装置でも同様に、実際の走行試験に使用していた車両を活用して製作された実物と同等の大きさ・重さの模擬編成を試験に用います。

小牧研究施設に「リニア走行試験装置」を新設 JR東海
装置概要

具体的な検証項目としては、地上側の電磁加振装置に電流を流すことで磁力により模擬編成を浮上させ、乗り心地の向上確認試験や超電導磁石の長期耐久性試験を実施。

山梨リニア実験線では設定が困難な異常状態を作ったり、加振台で電磁加振装置等を横方向に揺らすことで地震時や軌道(ガイドウェイ)のズレを模擬的に設定。各設備の故障の予兆を検知する状態監視システムの構築に向けたデータを取得し、車体の揺れを想定した試験を行うことでリニアの安全性をより高いレベルで確認します。

工事費は約66億円。試験は2020年3月6日(金)より始まっています。

鉄道チャンネル編集部
画像:JR東海