武蔵小金井、武蔵小杉、武蔵小山の3駅はいずれも「ムサコ」と略されることがありますが、地元ではどのように呼ばれているのでしょうか。それぞれの地元ではこの名称に対する温度差もあるようです。

武蔵小金井にはその名を冠した施設が高架下に

 JR中央線 武蔵小金井駅(東京都小金井市)の高架下に2018年4月14日(土)、商業施設「nonowa武蔵小金井・ムサコガーデン」がオープンしました。施設名の「ムサコ」は、「武蔵小金井」の略称です。

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武蔵小金井駅、武蔵小杉駅、武蔵小山駅のイメージ(乗りものニュース編集部作成)。

「ムサコ」と略される駅はほかにも。JR南武線と横須賀線、東急東横線と目黒線が接続する武蔵小杉駅(川崎市中原区)、さらに東急目黒線の武蔵小山駅(東京都品川区)も、そのように呼ばれることがあります。このため、インターネット上では、「『ムサコ』はどこだ」という論争も繰り広げられています。

 実際、それぞれの地元ではどのように呼ばれているのでしょうか。

「nonowa武蔵小金井・ムサコガーデン」を運営するJR中央ラインモール(東京都小金井市)は、「地域に長く愛されたいという思いから、地元で親しまれている『ムサコ』の名を施設に冠しました」といいます。

 小金井市の観光まちおこし協会によると、市内に「ムサコ」の名を冠した商業施設はほかにないものの、「中央線で隣り合う東小金井駅と武蔵小金井駅は、ともに『ヒガコ』『ムサコ』という愛称で呼ばれて区別されます」とのこと。ただ、市内にはほかに西武多摩川線の新小金井駅、隣の小平市内には西武新宿線の花小金井駅もありますが、こちらは「シンコ」「ハナコ」とはあまり呼ばれないそうです。

武蔵小杉と武蔵小山は?

「地元の人も『ムサコ』と呼びますね。『ムサコフェスタ』『ムサコたけのこ祭り』といったお祭りも開かれています」と話すのは、武蔵小山駅周辺の商店街が所属する武蔵小山商店街振興会の担当者です。

 品川区の広報担当も、「確かに武蔵小山駅周辺では『ムサコ』の呼び名が聞かれます。ただ、同じ東急沿線の武蔵小杉もそう呼ばれることがありますので、外部の方がどちらを『ムサコ』と認識しているかはわかりません」と話します。

 では、武蔵小杉ではどうでしょうか。川崎市中原区のまちづくり推進部によると、「地元ではもっぱら『コスギ』ですね。確かに外部の方は『ムサコ』と呼ぶこともありますが、地元では浸透していません」とのこと。

 中原区の担当者によると、川崎市が2005(平成17)年に、有識者を交えた話し合いのもとで武蔵小杉駅周辺地区の愛称を「MUSACO(ムサコ)」と決定したものの、それが地元に根付いていないといいます。

これについては決定した当時から「武蔵小山や武蔵工大(当時)とまぎらわしい」といった声があったそうです。なお、「むさこう」と略された武蔵工業大学は現在の東京都市大学で、東急沿線に4つのキャンパスがあります。

【地図】3つの「ムサコ」の位置

「ムサコ」ってどこ? 武蔵小金井、武蔵小杉、武蔵小山… 地元ではどう呼ばれるのか

武蔵小金井はJR中央線、武蔵小山は東急目黒線の駅。武蔵小杉駅には東急目黒線と東横線、JR南武線と横須賀線が乗り入れる(国土地理院の地図を加工)