魔法のようにおいしい!? 千葉限定の「アラビヤン焼そば」
(上)ターバンを頭に巻いたおじさん(?)のパッケージが、なんともイカす。(下)袋めん独特のベタベタ感が、クセになる。作り方には、炒めた肉や野菜を加えると書いてあったが、そのままのほうが、チープなうまみが際立ってうまいかも?
北海道のご当地フード「ホンコンやきそば」に続き、ナゾのご当地焼きそばを発見! サンヨー食品のインスタント袋めん「アラビヤン焼そば」である。

サッポロ一番の姉妹品だが、どういうわけか千葉の一部でしか買えないという。
なんで? もったいつけなくてもいいじゃん! 早速、サンヨー食品に問い合わせてみた。
「かつては全国展開してたんですよ。意図的に千葉にしぼってるわけではなく、自然に千葉に残ったというほうが正しいです」と広報担当者は言う。誕生は1967年4月。なんとサンヨー食品では4番目の古株で、サッポロ一番ソース焼そばよりも古い、超ロングセラー商品なのだ。

一部では大人気だが、採算がとれるほど需要はなく、テスト販売として関東のコンビニで売っるなど、過去に何度もいろいろ試してみたが、結局は安定した売り上げの千葉だけに戻ってしまうという。

「しかも、千葉の中でもなぜか銚子や東金だけなんですよ。どうしてなんでしょうねぇ? 私たちも不思議です。漁師さんが箱で買っていくという噂もありますけど」

意外にも海の男、御用達なのだろうか? 海の男とアラビヤンというのも、どうも結びつかないが……。

「アラビヤン」って何なのか? 一説には、粉末ソースからくる香ばしさ、スパイシーさがアラビヤンのイメージともいうが、かなりオーソドックスな味ですぞ?

「確たることは言えませんが、パッケージにある『不思議な位おいしく出来ます』のコピーから、不思議な位→魔法のように→アラジンというイメージの延長で、そうなったんじゃないかと言われてます」。さすが草創期の商品。名付けの根拠のなさは、おおらかな時代ならではなんだろうなぁ。
このアバウトさ、好きです。

ちなみに、当時「サッポロ一番」のほか、2つ目に開発した「長崎タンメン」など、「ご当地」モノを重視していたそうで、「その流れもあったのかもしれません。アラビヤンだから、全然ご当地じゃないですけどね(笑)」とのこと。

残念ながら今のところサイトビジネスは行っていないため、流通の要望で出荷したものが、どこかに流れて別の地にときどき出没するというぐらいしか、お目にかかれない「神秘的な焼そば」となっている。

 ただし、「特売屋 NIJIBEKKAI」のサイトでは、30袋2100円(消費税込み)で購入可。どうしても食べてみたい人は、箱買いしてみては?(田幸和歌子)