道中の田舎町で、一軒の不思議な家を発見。屋根の上にきれいに草が生え揃っている。「ミニ草原」といった感じ。最近、日本でもデパートの屋上に庭園があったりするけれど、こういうのは見たことがない。
調べてみるとノルウェイやスウェーデンで昔からある屋根のスタイルのひとつだそうで、そう珍しくはないらしい。ちょっとみすぼらしくも見えるけれど、それは見かけだけ。実のところ、とても優れた性能を秘めている。この家、とにかく「涼しい」。その謎にせまってみよう。
草は生きている。
普通、家の壁や屋根裏には「断熱材」という熱や冷気を遮断する材料が入っている。良質の断熱材は熱をとてもよく遮断するけれど冷やすのは無理。だから、どんなに優れた断熱材も「屋根の上の草原」にはかなわない、と言ってもいい。しかも植物だから二酸化炭素を吸収する効果もある。わずかだけど地球温暖化の防止につながる。
雨の多い日本では、傾斜のある切妻形式の屋根の緑化はちょっと難しいかもしれない。手入れも大変だと思う。でも、屋上の緑化に補助金を出す自治体もある。自然と共存する家、というイメージも悪くない。ちょっと考えてみる価値はありそうだ。(R&S)