
しかし、「女心と秋の空」と言われるように、この頃の天気は変わりやすい。
せっかくの予定も雨になって中止……。しかも平日は天気が良いのに、いつも週末だけが「雨」だった、なんてこと経験したことはないだろうか?あるだろう。これはこの時期、晴天ゾーンの「高気圧」と悪天ゾーンの「低気圧」が順番にそれぞれ3〜4日かけて日本上を通過していくからである。この周期にうまくはまって毎週末が「雨」となったのでる。まったくご丁寧なことである。人間にとっては有難迷惑?
さて、「女心と秋の空」という言葉、日本の変わり易い秋の天気を女心に例えた、実に巧妙なことわざだと思う。ところ変わってイギリスでは「Awoman‘s mind and winter wind change often(女心と冬の風)」なる言葉があるそうだ。これも同じく変わり易いことの例え。
興味がふつふつと沸いてきた私は、とある辞書を開いた。ん?『元来は「男心と秋の空」』とある。では次に、こちらを引き直してみる。「飽きやすく変わりやすいことのたとえ」とあった。もともと変わり易いのは「男心」だったとは!!
実は、広辞苑には、「女心と秋の空」は前版の第4版には掲載もなかったらしい。第5版(1998年11月刊行)から掲載されている。びっくりである。「女心……」の方は現代の新語だということか。さらに辞書によると、「女心」に変わったのは、『英語のことわざの影響による』とある。前述したイギリスのことわざのことだろう。
それにしても、まじめ顔のアナウンサーが、「男心と秋の空のたとえのとおり、今日の天気は……」なんて話しているのを想像して、やっぱりしっくりしないよなぁ〜と考えるのは、男だからであろうか。女性から見た場合、「そうだ。そうだ。」と頭を縦に振るのが多いのか少ないのか。
なんて考えながら、一息椅子の上で伸びをして視線を上げると、棚に並ぶマイブームの遍歴が目に入って思わず赤面。ここだけは、妙に納得した私である。(でんでん)