“こんにゃく”をお供えする不思議なお寺
(上)一目でわかりやすい“こんにゃくえんま”。(下)一目でわかりやすい“こんにゃくえんま”。
先日、突然、眼の周りに痛みが……。
これはなんとかしなくては!と思い、前々から気になっていた眼病治癒に効くとウワサの一風変わったお寺に参拝しに行った。


行ったのは小石川にある“源覚寺”。
通称“こんにゃくえんま”として知られているこのお寺は、何が変わっているかというと、その名前にあるように、お供えものが“こんにゃく”なのだ。

お寺について、ふと見ると、「参拝の方がお持ちになられたこんにゃくは、この桶の中にお供えください」とまじめに書いてある。そして、すぐ側にある桶の中には、敷きつめられたこんにゃくが!本当だったんだ……。と、私も事前に用意していったこんにゃくをお供えし、「眼の痛みが治りますように……」と参拝。

しかし何故こんにゃくなのか?
それにはこんな言い伝えがあった。


ここのえんま堂に安置されているえんま像は、眼が黄色く濁っているそうなのだが、それはえんま王が信心深い老婆に己の右眼を与えたからで、その老婆が感謝のしるしとして、自分の好きな“こんにゃく”を絶って、えんま像に供えつづけたというのだ。それ以来、眼病治癒の“こんにゃくえんま”として庶民の信仰を集めているらしい。

なるほど、納得。
それに、しばらくしてから眼の痛みが消えていることに気がついた。これってもしかして、こんにゃくえんまのおかげ?!言い伝えがますます信じられるものに。いや、信じるものは救われるってことかも。
というわけで、眼病治癒には、こんにゃくを持って“こんにゃくえんま”へどうぞ。(田辺 香)