
(上)材料いちらん(中)カルピス投入シーン(下)完成
「失われた新宿でチンチン電車、カルピス味マカロニに出会う」という記事を読んで以来、昭和初期に新宿のとある店で人気だったという「カルピス・マカロの新宿カピー」なる奇妙な名前をもつ一品のことがずっと気になっていた。
ネット上での断片的な情報と画像をもとに作った偽(笑)カルピス・マカロ。
そうして手に入れた『主婦之友』掲載の「新宿名物一品料理の作り方」の中の新宿名物料理、カルピス・マカロのレシピ、調理&実食リポート、いってみよ!
で、いってみよ! はいいんだけどさ、なんたって昭和10年の雑誌ですよ。旧仮名遣いですよ。読みにくいですよ。レシピも表みたくなってなくて、文章で語られてるんだよなぁ。
そしてなによりも単位がさ…一寸だの五分だの……ここまではなんとかわかったが、匁って何グラムよ! 知らないよ!!
でもそこはネットの素晴らしさ、速攻で検索だよね。ふむふむ、国際的に真珠の単位として認められている、か。momって記されるんだってさ。トリビアだなぁ。と、脱線したな。
さて、今度こそいくぞ。
材料はマカロニ(平麺の乾しうどんを代用)、葱、もやし、胡瓜、人参等の野菜類、豚挽肉(少し脂肪のある部分)、赤味噌、醤油のもろみ、煎りゴマ、カルピス原液、てなところ。
まずは…
『乾しうどんを一寸くらゐの長さに切り、熱湯で十分間ほど茹でゝ水に取り、笊に上げて水氣をきっておきます』
ここは十分間とあるけれど、現在の乾麺の茹で時間にあわせました。固めのほうが良いとあったので、やや短めにね。
『別に豚肉(少し脂肪のあるところ)を一人十匁あてに賽目に切り、持脂でよく炒め』
この『持脂』ってのがなんだかわからなかった。たぶんラードのことだろうと見当をつけてラードで炒めました。違ってたらゴメン。ここに葱の五分切りを加えて炒めたあと、
『カルピス大匙一杯を五倍くらゐの牛乳で薄めたものを混ぜ合わせ』
ついにカルピスの登場です! というかここだけです、カルピスの登場。別に麺をカルピスで茹でたりなんかしてません。どこからそんな誤情報がでてきたんだ!
このカルピスの牛乳割りを肉と葱を炒めていたフライパンに投入。
じつはこの煮込んでいるとき、これはダメだと思いました。だって色が〜。なんか薄茶色の嫌な物体でさ、それがカルピスやら牛乳やらのせいなのか、微妙な粘性を持ってボコボコと泡立ってるんだもん。地獄のカマが開いたかのような光景でしたよ(汗)。
あとは上にのせる野菜ね。豆もやしは酢と醤油、半々に合わせた中でさっと茹でる。人参と胡瓜は千切りにして塩もみをし、固く搾る。水切りしておいたうどんに熱湯を通し、水気を切って皿にもって、野菜類をのせたあと、肉味噌をたっぷりとかけてカルピス・マカロの完成です。
さて、実食レポート。
試食者は私に協力者、そして第三者の三名です。
まずは協力者。
と、そんな彼女の感想。
「思ったよりいける。肉味噌だけ味見したときは甘すぎると思ったけど、麺や具とあわせると悪くなかった。誰かが作ってくれるなら(笑)また食べてもいい」
続いて第三者。
「なんか酸っぱい。この酸っぱさがなければ食べられないこともないけど…もういいかな」
作る苦労をしていないだけに辛辣です。この「酸っぱい」ていうの、多分カルピスの酸味じゃなくて、酢と醤油で茹でた豆もやしの味なんじゃないかと思います。あれ、ちょっと茹ですぎたし。
最後に私。
「肉味噌が甘い。主食が甘いのは苦手な私にはキツイ。でもどこかで食べたことがある風味も…味噌ピーだろうか? 味噌ピー自体、何十年も食べていないのでさだかではないが」と、こんなところです。
できるだけ忠実に再現したつもりですが、なにせ元を食べたことをある人がいないのでねぇ。どこかに食べたことある人いませんかね?昭和10年てことは、80歳以上だろうね、食べたことがある人は。ちょっと見つからないかなぁ。(ぐっち/雅楽多blog)
ネット上での断片的な情報と画像をもとに作った偽(笑)カルピス・マカロ。
このときはパスタをカルピスで煮込んじゃったんだよな。カルピス社にも電話したし、レシピが掲載されていたことがあるという主婦の友社にも電話した。そしてレシピが掲載されているという『主婦之友』の昭和10年3月号を求めて国立国会図書館にまで行っちまったい。
そうして手に入れた『主婦之友』掲載の「新宿名物一品料理の作り方」の中の新宿名物料理、カルピス・マカロのレシピ、調理&実食リポート、いってみよ!
で、いってみよ! はいいんだけどさ、なんたって昭和10年の雑誌ですよ。旧仮名遣いですよ。読みにくいですよ。レシピも表みたくなってなくて、文章で語られてるんだよなぁ。
そしてなによりも単位がさ…一寸だの五分だの……ここまではなんとかわかったが、匁って何グラムよ! 知らないよ!!
でもそこはネットの素晴らしさ、速攻で検索だよね。ふむふむ、国際的に真珠の単位として認められている、か。momって記されるんだってさ。トリビアだなぁ。と、脱線したな。
えっと、1匁で3.75グラムね。メモメモ……。
さて、今度こそいくぞ。
材料はマカロニ(平麺の乾しうどんを代用)、葱、もやし、胡瓜、人参等の野菜類、豚挽肉(少し脂肪のある部分)、赤味噌、醤油のもろみ、煎りゴマ、カルピス原液、てなところ。
まずは…
『乾しうどんを一寸くらゐの長さに切り、熱湯で十分間ほど茹でゝ水に取り、笊に上げて水氣をきっておきます』
ここは十分間とあるけれど、現在の乾麺の茹で時間にあわせました。固めのほうが良いとあったので、やや短めにね。
『別に豚肉(少し脂肪のあるところ)を一人十匁あてに賽目に切り、持脂でよく炒め』
この『持脂』ってのがなんだかわからなかった。たぶんラードのことだろうと見当をつけてラードで炒めました。違ってたらゴメン。ここに葱の五分切りを加えて炒めたあと、
『カルピス大匙一杯を五倍くらゐの牛乳で薄めたものを混ぜ合わせ』
ついにカルピスの登場です! というかここだけです、カルピスの登場。別に麺をカルピスで茹でたりなんかしてません。どこからそんな誤情報がでてきたんだ!
このカルピスの牛乳割りを肉と葱を炒めていたフライパンに投入。
さらに赤味噌、醤油のもろみを加えて煮込み、擂り胡麻に味の素を少々加えてメインである肉味噌の完成です。
じつはこの煮込んでいるとき、これはダメだと思いました。だって色が〜。なんか薄茶色の嫌な物体でさ、それがカルピスやら牛乳やらのせいなのか、微妙な粘性を持ってボコボコと泡立ってるんだもん。地獄のカマが開いたかのような光景でしたよ(汗)。
あとは上にのせる野菜ね。豆もやしは酢と醤油、半々に合わせた中でさっと茹でる。人参と胡瓜は千切りにして塩もみをし、固く搾る。水切りしておいたうどんに熱湯を通し、水気を切って皿にもって、野菜類をのせたあと、肉味噌をたっぷりとかけてカルピス・マカロの完成です。
さて、実食レポート。
試食者は私に協力者、そして第三者の三名です。
まずは協力者。
基本的に私が作りましたが、撮影してもらったり、私が他の下ごしらえをしているときに鍋をみていてもらったりしました。実のところこの協力者が気合はいっちゃってねぇ。私は挽肉のパックを買ってきてすまそうと思ってたんだけど、ダメだしされちゃって…ちゃんと包丁で肉を切りましたよ、私がね。胡麻やもろみも彼女がすり鉢を持ってきたんですが、すったのは私です(汗)。
と、そんな彼女の感想。
「思ったよりいける。肉味噌だけ味見したときは甘すぎると思ったけど、麺や具とあわせると悪くなかった。誰かが作ってくれるなら(笑)また食べてもいい」
続いて第三者。
「なんか酸っぱい。この酸っぱさがなければ食べられないこともないけど…もういいかな」
作る苦労をしていないだけに辛辣です。この「酸っぱい」ていうの、多分カルピスの酸味じゃなくて、酢と醤油で茹でた豆もやしの味なんじゃないかと思います。あれ、ちょっと茹ですぎたし。
最後に私。
「肉味噌が甘い。主食が甘いのは苦手な私にはキツイ。でもどこかで食べたことがある風味も…味噌ピーだろうか? 味噌ピー自体、何十年も食べていないのでさだかではないが」と、こんなところです。
できるだけ忠実に再現したつもりですが、なにせ元を食べたことをある人がいないのでねぇ。どこかに食べたことある人いませんかね?昭和10年てことは、80歳以上だろうね、食べたことがある人は。ちょっと見つからないかなぁ。(ぐっち/雅楽多blog)
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