ひょんなことから自宅にてカタツムリを飼っているのだが、食べた物の色がそのままうんこになることがあるんだということを大人になって初めて知った。キャベツを食べたら黒っぽい緑色、ニンジンだとオレンジ色……。
朝起きてみると飼育ケース内には立派なうんこがあります。そもそも動いているところを見たことすら、ほとんどないのに。こいつらいつうんこをするのか。夜行性なのか。どんなペースで、どんなふうにするのか。観察してみた。
6月24日午前10時。ニンジンを飼育ケースに入れる。湿気を与えてみたものの、フタにくっついたカタツムリは、動く気配がなく、まるでやる気が感じられない。午前11時。微動だにしないヤツに根負けし、殻をつまみあげて直接ニンジンの上に置いてみた。すると、急に別人のように角を出し、プルプルしたからだをニンジンにどっしりすえて、顔を動かしている。
少し嬉しくなり、しばし食事風景を見続けたが、これがまた長い。30分以上なんの変化もない。超ダラダラ食いだ。11時35分。食事を終え、ニュルニュルと頭をプラケースの壁にのばし、そのまま移動。
12時30分。再びニンジンに移動し、二度目の食事開始。10分ほど見ていたが、地味な食事風景なので、自分も昼食。麦茶をとって戻ってくると……。
ガーン! ニンジンから降りようとするカタツムリの脇に、1.5ミリほどの黒いブツがあった。
14時10分。3度目の食事開始、29分終了。46分に戻ってきて再び食事。
じーっと見ていると、体をニュルンとのばし、オレンジ色の物体もそれにしたがって徐々におなかの下(?)のほうに移動する。
ニンジン食べ始めて、うんことして出るまで4時間15分。うんこスタートから体を離れるまでは、4分間。カタツムリは、ダラダラ食いのうえ、ダラダラうんこでもあるみたい。
とか思いつつ、自宅にあった図鑑を見てみると、さらに衝撃の事実が! カタツムリは、実は殻から顔が出る付近に穴があり、そこからうんこが出るのだそうです。角のあたりからうんこが出たように見えたのは、要するに顔近くにあった「穴」からなのでした。しかも、隣の穴で呼吸をするそうです。
ちなみにその図鑑によると、カタツムリはやはり夜行性。あれほどアクティブに動いてたのは、見つめられるのがイヤで、逃げ場を求めていたりしたのか。すみません。
(田幸和歌子)