
HPによると「仁尾町に伝わる、こんにゃくの汁物。調理が簡単で栄養のバランスがとれたふるさとの味です」。こんにゃくの汁物といってもうどんの代わりにコンニャクが入っているコンニャクうどんのようである。香川ではうどん好きはここまで来ているのか! と思わず驚いてしまった。
さっそくこの料理のことを聞いてみようと香川県・仁尾町に問い合せてみた。すると、「何ですか? さわさわ? 初めて聞きました。」と役場の方は知らない様子。「詳しい人がいると思うので折り返し連絡します」とのことだったのでその間に県の広報課に問合せてみた。するとこちらでも「ちょっとわからないのでページを作った担当部署に聞いてみます」との返事。ページの担当者に伺ってみると、「実はよくわからないんです。四国新聞さんが以前出した本から情報を引用したので……」色々なところから問い合わせもあるらしいのだが、なにやら幻の郷土料理のような扱われ方。
そうこうこうしていると仁尾町から連絡が入り「さわさわ」に詳しいという町の生活研究グループの会長さんである植岡澤江さん(75)をご紹介いただいた。
植岡さんによると、「さわさわ」はコンニャクを縦に長く切って野菜を入れて食べる汁の多い煮物のようなもの、とのこと。植岡さんが嫁がれてきた時にはすでに「さわさわ」を作る家も減っていたそうなのだが伝統的な料理は伝えていかなくては、ということで今も作り続けているのだそうだ。コンニャクは仁尾町の特産品ではないけれど、身体の中の汚れを取るとか掃除するとかそういった意味合いで食べたのでは?とのことで法事の時やハレの時に出される料理だったという。汁気たっぷりのコンニャクをサワサワっとかっ込むように食べるところからユニークなこの名前がついたとのこと。コンニャクはカロリーもほとんどないし、野菜もたっぷりとれる「さわさわ」はダイエットにもとってもよさそうである。それに一緒に入れる野菜は何でもいいというのがうれしいではないか。植岡さんに簡単なレシピをお教えいただいたので是非お試しください。(こや)
これが幻の郷土料理「さわさわ」レシピだ!
材料 (5人分) 所要約20分
こんにゃく 2枚 ニンジン 100g ごぼう 150g しいたけ 3枚 さつま芋 150g だし汁 細葱・しょうが 少々
(1) コンニャクは縦にうす切り さっと茹でる
(2) ニンジンは千切り、ごぼうはささがき、しいたけ 細切り
(3) だし汁に(2)を入れ煮る
(4) (3)の中にコンニャクを加え吸い物より濃い目の味付け 酒を大さじ1杯
(5) 最後にさつま芋をすって加え、汁が澄んできたら火からおろす
(6) 椀にもって葱としょうがをのせれば出来上がり
仁尾町の出身者です。 小学生のとき、授業で一度だけ地域の方と一緒に作って食べました。 コンニャクうどんと表現されていますが、味噌を入れ忘れた豚汁のような、具沢山の汁物であったと記憶しています。