SF心をくすぐる阪神高速が貫通したビル
(下)撮影したときは民営化直前で「公団」という文字が消された跡がありました。
まずは、左の写真を見て頂きたい。なんと、阪神高速の高架がビルを貫通してしまっているのだ!

西梅田よりさらに西へ行った福島にそれはある。
このビルの名前は「ゲートタワービル」で、通称「ビーハイブ」。
円形のビルの中に高架が通り、車が吸い込まれていく。まるで、SF映画で描かれている近未来の光景を目の当たりにしているようだ。JR大阪環状線の車内からも目にすることができるので、密かに大阪の名所だったりする。

平成4(1992)年に建てられたこのビルは、16階建てのオフィスビルで、屋上にはヘリポートまである。5〜7階が「阪神高速道路」になっていて、エレベータは4階の上は8階ということになる。

それにしても、これはどうなっているのだろうか? 阪神高速に問い合わせてみた。

一見、建物と道路が繋がっているように見えるが、実は完全に分離された構造だという。道路はシェルターで覆われていて、ビルの中にトンネルが通っている状態。このため、振動や騒音、排気ガスによりビルに影響が出る心配はないそうだ。
5〜7階の道路以外の部分はビルの階段やエレベータ等の施設のみということになる。

では、そもそもどうしてこんなビルができてしまったというと、阪神高速の梅田出口をつくるためには、この場所を通らなければならなかったが、地主さんはこの土地をどうしても手放せないということで、こういう形になったとか。


ビーハイブの場所は、阪神高速道路池田線の梅田出路で、大阪空港から梅田へのバスがここを通ります。

実は、阪神高速には他にも何ヶ所かビルの中を道路が通るところがあります。密集した大阪の市街地の中に造られたからでしょうね。
それだけでなく、ビルの上が高架になっているところまでも。本当に大阪には土地がないんだなぁ。
(もがみ)
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