日本一高い? 立山有料道路
立山有料道路の終点付近。5月には高さ10m以上の雪の壁が出現するのだが、この写真からは想像しがたい。
秋。今年は少し訪れが遅いようだけど、紅葉の便りもちらほら。
マイカーで高原に紅葉狩り、と行きたいところ。ところで、高原に多いのが「有料道路」。山を切り開いて作った道なので、建設費が高め。利用者にも負担してもらおう、ということで有料になっている。

さて、本日紹介する「立山有料道路」は、おそらく日本一料金の高い有料道路。富山県立山町にあり、標高666mの桂台と2450mの室堂とを結ぶ山岳区間のうち、中間部を除く14.4kmが有料区間。
立山黒部アルペンルートの一部で、春先には「雪の大谷」と呼ばれる、高さ10m以上の雪壁の間をバスが走ることで有名。

環境保護の観点から、路線バスと貸切バスしか通れない。タクシーもダメ。気になるお値段、大型バスで往復なんと50,400円! 大型バスの料金、ってピンと来ないと思うけど、例えば東京から東名高速に乗ったとすると、名古屋、大阪、広島を越えて山口県の玖珂ICまで、892kmの値段に相当する。どうしてこんなに高いのか。富山県道路公社に尋ねてみた。


「有料道路は、償還期間(建設費を回収するまでの期間)が30年間と定められています。立山有料道路の場合、途中で大型改築工事を行ったため42年間になっていますが、この間に償還できるように値段を決めています」

こんなに高くて、観光バス会社さんから苦情が出ないのだろうか。「最終的には、ツアーに参加される方のご負担ということになりますので……」とのことで、特に苦情はないみたい。立山黒部は、紅葉はもちろん高山植物、澄んだ星空、温泉など素晴らしい自然環境を持ち、毎年100万人以上が訪れる。高くてもそれだけの価値あり、ということなのでしょう。

昭和40年代に開通したこの道路、はじめはマイカーを通す構想もあったらしい。
道路公社から頂いた料金表には、乗用車、オートバイ、そして自転車の料金までもがちゃんと載っている。だけど、実際に料金が徴収されたことはなく、今後もない見込みの「幻の料金」。ちなみに5ナンバーの乗用車が12,800円、3ナンバーは18,900円。筆者のように普通免許しか持たない皆様も、お値段が実感できるでしょうか。(R&S)