どこまで進むアメリカのカジュアル・ウェアー
パジャマでゴー!
少し前になるが、今年の夏にNYの街でやたら見かけたのが、派手な柄の薄手の綿のパンツ姿の女の子達。ピンクや水色の地にスポンジーボブや、おなじみキティちゃんが全面にプリントしてあって、結構派手。
高校の下校時刻に出くわしたりしたら、そこら中キャラクターパンツの女の子だらけだ。
ナニそれ? 流行ってんの? と怪しまれつつ突撃インタビューしてみると、パジャマだという。
え? ぱっぱっぱ、パジャマ? パジャマで通学しているの?

アメリカでは、クリスマスの時期に子供達が幼稚園や小学校で一日パジャマで過ごす、パジャマパーティーが催されたりするけれど、普段の学校生活をパジャマでするなんて、イマドキの女子高校生にはついていけんと思っていたら、実は今通学だけでなく、通勤、外出までパジャマでするのが流行りなのだそうだ。そうか、時々スーパーなどで見かけたパジャマのようなものを着ていたおばさんは、本当にパジャマ姿だったのだ。

そんなニュートレンドをナイトウェアー業界もほっとかない。セクシー下着のビクトリアズ・シークレットのこの冬一押しの商品はパジャマだし、他に外出着にもできるパジャマのブランドまで出てきている。女性用ジーンズのような丸みを帯びたカットに、股上が浅いパンツと、トレンドを押さえたデザイン。絵柄もアニメキャラクターや懐かしのピースマーク等、元気いっぱい遊び心満載と、女子高校生だけでなく、大人の女性にも受け入れられやすいように工夫している。

フィットネスブーム(いつの話じゃ)の時、レオタード姿で街を歩く女性が現われたり、最近では、ジャージやスウェットでうろうろするセレブのパパラッチ写真が巷を賑わしたりと、外出着のカジュアル化は社会的にもずいぶん容認されてきているが、しかし本音のところパジャマにまでいたると、絶句だわ。

話を聞いた女の子によると「気持ちよくて楽」「いろんな柄があってかわいい」と、パジャマで一日過ごすことに臆することはない。もちろん外出着用のパジャマに着替えているから、内と外の区別はついているらしい。でもパジャマを着ていることで、家にいるようなリラックスした気分になれるのだそうだ。
たしかにそれは魅力的だよね。

外出着のカジュアル化は、女性解放とか謳われていたこともあるけれど、今はリラックスがキーワード。パジャマで堂々と街を歩きましょう。
あーでもついていけんわ。
(チン・ぺーぺー)
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