
これが『信濃奇勝記録』に描かれた、「ぶらん堂」。山肌に「ぶらん」とした感じに建っています。
先日、友人の弟・Yくんから、こんな情報をもらった。
「“ブランド薬師”って、知ってます? 地図を見ると、長野の善光寺近くの山に、そんな名前が書かれてるんです」
山の上でヴィトンやグッチ、シャネルを奉ってウッシッシ……。
「お堂がぶらんぶらん揺れることから、ついた名前らしいですよ」
長野市の観光コンベンションビューロに問い合わせると、岩田勲さんという詳しい方を紹介してくれた。
「寺伝によると、創建は大同2年(802)。ご本尊は日本神話の少彦名神(すくなひこなのかみ)で、医療の法を教えた人として信仰されたそうです」
と岩田さん。
天明4年(1784)に菅原真澄が訪れた旅行記『来目路濃橋』には『断崖のとても高い所に、不落(ふらん)堂といって、飛騨の工らが一夜の間に柱一本で建てたお堂で、薬師仏を安置する』と記述されているとか。
だが、天保4年(1834)の『信濃奇勝記録』には「フラン堂」「ぶらん堂」と記載され、同14年(1843)の『善光寺道名所図会』には「薬山ぶらんど薬師」が登場。
それが明治になってカタカナの「ブランド薬師」となったのだという。不落堂→フラン堂ORぶらん堂→ぶらんど薬師と変化してきたわけだ。
実は、歌川広重の浮世絵にも「諸国名所百景 信州善光寺道久須里山」(現在の薬山)として描かれており、善光寺参りの旅人たちの名所として知られていたそうだ。
女性週刊誌によく出てくるような「ブランド女王」とは無縁も無縁、広重の世界とは!
「このお堂は大きな石の中に祠を掘り、石像のご神体がまつられていて、一度に20人くらい入れますよ。ちょっと怖いけど(笑)」
カタカナと漢字の合体「ブランド薬師」。突飛な名前からは想像もつかない、昔の人々の信仰心や思いが込められているようです。
(田幸和歌子)
「“ブランド薬師”って、知ってます? 地図を見ると、長野の善光寺近くの山に、そんな名前が書かれてるんです」
山の上でヴィトンやグッチ、シャネルを奉ってウッシッシ……。
薬師さんのくせに、あんまり良い趣味じゃないなあと思っていると、
「お堂がぶらんぶらん揺れることから、ついた名前らしいですよ」
長野市の観光コンベンションビューロに問い合わせると、岩田勲さんという詳しい方を紹介してくれた。
「寺伝によると、創建は大同2年(802)。ご本尊は日本神話の少彦名神(すくなひこなのかみ)で、医療の法を教えた人として信仰されたそうです」
と岩田さん。
天明4年(1784)に菅原真澄が訪れた旅行記『来目路濃橋』には『断崖のとても高い所に、不落(ふらん)堂といって、飛騨の工らが一夜の間に柱一本で建てたお堂で、薬師仏を安置する』と記述されているとか。
だが、天保4年(1834)の『信濃奇勝記録』には「フラン堂」「ぶらん堂」と記載され、同14年(1843)の『善光寺道名所図会』には「薬山ぶらんど薬師」が登場。
それが明治になってカタカナの「ブランド薬師」となったのだという。不落堂→フラン堂ORぶらん堂→ぶらんど薬師と変化してきたわけだ。
実は、歌川広重の浮世絵にも「諸国名所百景 信州善光寺道久須里山」(現在の薬山)として描かれており、善光寺参りの旅人たちの名所として知られていたそうだ。
女性週刊誌によく出てくるような「ブランド女王」とは無縁も無縁、広重の世界とは!
「このお堂は大きな石の中に祠を掘り、石像のご神体がまつられていて、一度に20人くらい入れますよ。ちょっと怖いけど(笑)」
カタカナと漢字の合体「ブランド薬師」。突飛な名前からは想像もつかない、昔の人々の信仰心や思いが込められているようです。
(田幸和歌子)
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