中国物流購買連合会はこのほど発表した「中国サプライチェーン(供給網)発展報告(2024~25)」で、グローバルサプライチェーンは世界経済の構造変化や保護貿易主義、技術変革などによる影響を受けて再構築が加速し、中国は「世界工場」から「グローバルサプライチェーンのハブ」へとグレードアップしつつあるとの見解を示した。
多くの上海協力機構(SCO)加盟国を経由する「中欧班列」(中国と欧州を結ぶ国際貨物列車)の運行本数はすでに11万本を超え、地域のサプライチェーンの安定・円滑化を保障し、東西が互いに助け合う相互接続ネットワークを構築している。
24年の中国の越境電子商取引(EC)による貿易額は前年比10.8%増の2兆6300億元(約55兆円)だった。
中国物流情報センターの劉宇航主任は「中国企業の海外進出モデルは『製品の海外進出』や『生産能力の海外移転』から『産業チェーン・サプライチェーンの海外進出』という新たな段階へ突き進んでいる」と語った。
報告によると、中国はここ数年、現代物流や先進製造業などの面で大きく進展した。80カ所の国家級先進製造業クラスターはハイエンド設備、新エネルギーなどの分野に及び、ハイエンド設備分野の割合は36.3%に上った。
同連合会の統計データでは、中国の物流サプライチェーンの人工知能(AI)普及率は37.0%を超え、デジタルトランスフォーメーション(DX)のペースは絶えず加速し、新興技術の活用も進んでいる。
同連合会公共調達分会の彭新良秘書長によると、製品の研究・開発、物流から調達、サプライヤー管理に至るまで、物流企業の科学技術の研究開発投資は次第に拡大し、AIを含むデジタル化技術が多くの場面でサプライチェーンと結び付き、高度に利用されている。中国ではAIとサプライチェーンの組み合わせが多くの業界で発展の主要トレンドになるとともに、サプライチェーンセキュリティーの発展をさらに後押しし、経済の質の高い発展を力強く支えていく。【新華社北京】