三菱重工、シンガポールで廃棄物焼却発電事業担う「チュアスワン社」を完全子会社化
三菱重工業(以下、三菱重工)と三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(以下、MHIEC)は、シンガポールで廃棄物焼却発電施設の建設・運営事業を担うチュアスワン社を完全子会社化したことを発表した。

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三菱重工グループが単独で運営・保守を
実施するシンガポールの廃棄物焼却発電施設現地の水処理・水供給運営事業大手、ハイフラックス社保有のチュアスワン社発行株式75%相当をMHIECが取得し、三菱重工との共同出資としてチュアスワン社の事業を継続するものとしている。


チュアスワン社は、三菱重工がハイフラックス社と共同で2015年に設立した特別目的会社。

チュアスワン社は、官民パートナーシップ(Public-Private Partnership:以下、PPP)方式により、契約廃棄物処理量3,600トン/日で発電量12万kW級の能力を持つストーカ式廃棄物焼却発電施設をシンガポール南西部のチュアス地区に建設し、同施設の運営を25年間行う事業権契約を同国環境庁と締結している。

三菱重工グループが焼却設備や発電機器を納入している同施設は4炉で構成されており、シンガポールで1日に発生する焼却可能廃棄物の約35%を処理できる高い能力を有しているという。

同施設は、2019年12月に三菱重工のシンガポール法人Mitsubishi Heavy Industries Asia Pacificが、当初ハイフラックスグループがチュアスワン社から受注した建設工事を同グループから引き継ぎ、2021年12月に完工して施設運営・保守業務を実施。

今年7月からは、MHIECが同国に設立した事業会社であるMHIEC Eco Creation Singaporeが運営・保守を引き継いでいくとのことだ。

なお、同事業は三菱重工グループが、海外の廃棄物焼却発電事業において事業出資から施設の建設・運営・保守まで一貫して遂行する初めての事例としている。


三菱重工グループは、シンガポールでは2000年に完成した3,000トン/日の廃棄物処理能力を持つチュアスサウス廃棄物焼却発電施設をはじめ、4件の廃棄物焼却発電施設の設計・建設を手掛けるなど、東南アジアでは業界最多の納入実績を誇っており、エネルギーの有効活用による環境負荷低減に貢献しているという。

今回の海外PPP方式による廃棄物焼却発電事業への単独参画と安定運営を通じて、同方式の事業運営ノウハウと成功モデルを確立し、近年、東南アジアや中東などでの環境関連市場で主流となりつつあるPPPプロジェクトでの受注拡大により、グローバルな環境問題の解決やカーボンニュートラル社会の実現に向けて取り組んでいくとのことだ。