新勘定系システムは、Amazon Elastic Container Service(ECS)やAWS Fargateなどのフルマネージドなコンテナサービスを活用したクラウドネイティブなアーキテクチャで構築されているとのことだ。システムの各機能はマイクロサービスとして実装されており、機能の追加や変更にも迅速に対応できるとしている。
また、オープンAPIの活用により外部アプリケーションとの連携が容易となり、資産運用支援アプリや会計自動化アプリなどとのビジネス共創が実現可能に。さらに、AWS CodeシリーズによるCI/CDのパイプラインを構築し、アプリケーション開発の効率化も図られている。
移行と運用の安定化にあたっては、日本の銀行として初めてAWSのエンタープライズ支援サービス「AWS Countdown Premium(CDP)」を採用。AWS CDPにより、設計段階からリリース後の運用支援まで専任エンジニアのサポートを受けたとしている。
勘定系システムの基盤には、富士通がAWS上に構築した「Fujitsu Core Banking xBank(クロスバンク)」が採用されており、同ソリューションの国内初導入事例となった。xBankにより、ソニー銀行は商品開発のスピードを高め、低コストかつ柔軟な銀行サービスを提供できる体制を整えたという。
これにより、ソニー銀行が管理するほぼすべてのシステムがクラウド上で稼働することになった。2013年から始まったAWSへの段階的な移行を経て、2020年には80%がAWS上に移行済みであった。2021年の大阪リージョンのフルリージョン化を機に、東阪マルチリージョンを活用し、災害対策を強化した上で勘定系の全面移行を進めていたとのことだ。
新システムでは、Amazon Aurora Global Databaseを活用し、主要データの大阪リージョンへのレプリケーションを実施。
加えて、AWSのエネルギー効率の高いインフラを活用することで、2013年比で消費電力を約8割削減し、CO2排出量の大幅な削減も達成したと発表している。