キャスターの辛坊治郎は8月3日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、元徴用工訴訟をめぐる問題を基礎から解説した。
新日鉄住金本社の会社ロゴの前で記念撮影し警備員に注意を受ける、元徴用工側の代理人ら=12日、東京・丸の内 撮影日:2018年11月12日
裁判所の判断でいつでも現金化される
いわゆる元徴用工訴訟をめぐる問題で、韓国の裁判所による被告側の日本製鉄の資産差し押さえの手続きが明日の8月4日に完了する。これにより、原告側は資産を売却し現金化することができる。
辛坊)これが明日8月4日なのですよ。裁判所が今後どうするか。実はですね、明日すぐに現金化ということではありません。今後裁判所が、被告にあたる日本企業に意見をきく尋問書というのを送る手続きを踏む場合があるのですね。この手続きを踏む場合はあと数ヵ月時間がかかります。裁判所の決定なのですが、裁判所はこの手続きを飛ばして命令を出すということができなくもありませんが、それにしても裁判所はもう一度現金化するという話でまた命令を出しますから、明日何かがすぐに起きるというわけではないです。
ソウルの韓国大統領府で新年の辞を発表する文在寅大統領(韓国・ソウル)EPA=2020年01月07日 写真提供:時事通信社
国際条約を無視する韓国
なぜ“我々”か。この徴用工にも実は、斡旋とかいろいろなやり方が3種類あり、実際に強制的に日本の炭鉱とか、その他あるいは製鉄所で働かせるというのは大戦末期の本当に短い一時期にあったことは間違いないのですね。その事実があるので、日本は1965年の日韓協定のときにこれに関して日本政府は個別に賠償しましょうか、という話に持っていった。そうしたら当時の韓国政府は、「それに関しては、今後、徴用工の皆さんから賠償請求みたいなものが出た場合には韓国の政府が対応しますので、一括してグロスでお金を下さいね」ということだったので、日本は賠償金を支払って、日本と韓国の間の国交を正常化した。これが1965年。
逆に、今回の裁判所の判断に至るプロセスを見ると、前の朴槿恵政権のときには、こういう判決が出ると、それこそ日本と韓国の関係が無茶苦茶になるからと言って、この最高裁の最終確定判決が出ないようにコントロールしていた。それで当時の朴政権の人間が処罰されたりなどしてもいるのですけれども。
大法院(大韓民国)-Wikipediaより
裁判長を入れ替えて判決を出させた文政権
しかし文政権になった瞬間に、逆にそういう判決が出る方向性で加速をして、裁判長を入れ替えたり、最高裁の長官を入れ替えたりなどして、政権がこの判決を出させたわけで。
今も政治的に訴える人たちは、ある意味本当に解決を望んでいるのかかなり疑問です。
その文政権の支持率は、一時70%を超えていたのですが、直近の支持率というのが40%台に落ちてきてですね。背景はいろいろあるのですけどやはり、経済失政というか、韓国の経済というのが、我々が感じる以上に相当悪化してきている状況で。今回これに関しては、もし現金化ということになったら日本政府も何かの対応ととらざるを得ないとも、官房長官が私の番組(よみうりテレビ/日本テレビ系『ウェークアップ!ぷらす』8月1日放送分)でも明言しました。
そういう意味では、明日(8月4日)が一つのターニングポイントになるのは間違いないのです。
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