■インフレ時代、節約だけでなく「収入を増やす」発想を持とう!
「スーパーでいつもの食材を買っただけなのに、会計が高くてびっくり」
「電気代、ガス代がじわじわ上がってきた」

そんな実感、ありませんか? 物価の上昇(インフレ)が続く今、家計のやりくりはますます難しくなっています。

もちろん節約は大事。
でも、どんなに工夫しても下げられる支出には限界があるのも事実です。

では、どうすればいいのでしょうか?

今こそ考えたいのが、「収入を増やす」という選択肢です。

■節約は“守り”。収入を増やすことは“攻め”の家計戦略
節約は、いわば“守りの家計管理”。無駄を省くことはとても大事ですが、インフレが続けば、今までのやり方では対応しきれなくなる場面も増えてきます。

そこで必要なのが、「収入を増やす視点」。支出を減らすのではなく、収入を増やしていくことで、家計全体に余裕をつくれます。

■収入を増やすには?無理なく始められる3つのアプローチ
それでは、収入を増やすためには何ができるでしょうか。無理なく始められる3つのアプローチをここではご紹介します。

▼①本業で「できること」を見つける「今の仕事の中で、これ以上どう収入を増やせるの?」と思う方も多いかもしれません。でも実は、ちょっとした意識の変化や行動で、将来の収入アップにつながることもあるんです。

例えば、以下のような方法があります。


●資格取得
医療事務・保育士・FP(ファイナンシャルプランナー)の資格など、キャリアの幅を広げるのに役立つ資格は意外と多いもの。通信講座やオンライン講座でスキマ時間に学べます。

●社内での役割を見直す
パートでも「リーダー的な役割」を任されると、時給が上がる職場もあります。

●勤務時間の調整
子どもが成長して手がかからなくなった方は、週3勤務から週4勤務へなど、勤務時間を少しだけ増やしてみるのも手。

特に子育てと両立して働いている方は、「今できることに無理なくプラスしていく」ことがコツです。

▼②得意なことを「副業」でお金に変える「副業って、自分には関係ない話」と感じる方もいるかもしれません。でも、今はパソコン1台、スマホ1つでも始められる副業がたくさんあります。

例えば、こんなことが収入になります。
・フラワーアレンジメントの自宅レッスン
・得意な料理を生かしてレシピ提供やブログ、休日に自宅でパン教室
・保育や介護などの経験を生かしたオンライン講座・相談サービス
・ライティングや校正など、在宅でできる仕事

また、「特技なんてない」という方でも、まずは不用品をメルカリで売ってみるだけでも立派な第一歩です。

実際、私の相談者の中には「子ども服やおもちゃを出品していたら、月に1万~2万円の副収入になった」というママも。こうした“身近な稼ぎ方”は、家計の心強い味方になります。

▼③副業から本業へ、起業する選択肢も実際、「気付いたら副業が本業を超えていた」「扶養の範囲を超えて、個人事業主になった」という方も、私の周りでは増えています。
例えば、以下のような人がいます。
・パン作りが得意で、マルシェでの販売から自宅サロンをオープンした40代主婦
・広告会社のWebデザイナーを辞めて、フリーランスになった50代女性
・勤務先で取ったファイナンシャルプランナーとキャリアカウンセラーのW資格で起業
・サラリーマン大家から不動産業を本業にした40代女性

どれも、最初は「ほんの小さなきっかけ」から始まっています。

共通しているのは、「やってみたい」を行動に移したこと。そして、「誰かの役に立てるかも」という思いが原動力になっていることです。

もちろん、最初から大きな利益を出そうとする必要はありません。小さな副業を育てるうちに、「これで独立してもやっていけるかも」と思えたら、起業という選択肢も見えてくる。そんな時代になっています。「子どもが手を離れたら自分のために何か始めたい」と思っている方にも、ぴったりな選択肢です。

私自身30代で子どもが幼稚園生の時に、ファイナンシャルプランナーとして起業しました。最初は不安でしたが、「今はまだ稼げなくても、子どもにお金のかかる10年後にしっかり稼げる自分になりたい!」と言い聞かせていました。

それから10年以上の歳月が流れ、「お金」と「時間」に余裕のある生活を送れるようになり、あの時勇気を出して起業してよかったと心から思っています。

収入を増やす方法は「働く時間を増やす」だけではありません。
あなたの暮らしや経験、得意なことをちょっとだけお金に変える視点が、家計の未来をぐっと前向きにしてくれます。

文:二宮 清子(ファイナンシャルプランナー)

家計管理や節約を軸に、生活に寄り添った提案を行うファイナンシャル・プランナー。家庭科の教師としての勤務経験があり、赤字家計を脱出した自分の体験から、ユーザー目線でのアイデアを発信している。
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