老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、特別支給の老齢厚生年金について説明します。

■Q:私は1965年生まれの女性です。特別支給の老齢厚生年金は、60歳以上になると誰でも、もらえる権利があるのですか?
「特別支給の老齢厚生年金は、60歳以上になると誰でも、もらえる権利があるのですか? 私は1965年生まれの女性で、まだ働いてます」(匿名希望)

■A:特別支給の老齢厚生年金をもらえる人とは、生年月日や厚生年金保険の加入期間などの受給要件を満たした人です
60代前半でもらえる特別支給の老齢厚生年金を受け取るためには、次の要件を満たす必要があります。

・男性:昭和36年4月1日以前生まれ
・女性:昭和41年4月1日以前生まれ
・老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある
・厚生年金保険などに1年以上加入していた
・生年月日に応じた受給開始年齢に達していること

質問者の方は、1965年(昭和40年)生まれの女性ですので、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があり、厚生年金保険などに1年以上加入していた場合は、64歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)が受け取れます。

ただし、60歳以降、厚生年金保険に加入しながら、特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金を受け取る場合、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額(毎月の給与収入などが目安)に応じて、特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金額が支給停止となることがあります(在職老齢年金制度)。

質問者の方は現在働いているとのことですので、在職老齢年金制度で特別支給の老齢厚生年金が調整される対象にならないように、老齢厚生年金額や月収などについて確認しておきましょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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