入国手続きも宿泊も、自分で行うことが新しいスタンダードになりつつあります。
■【2025年10月~】入国カードは「オンラインで申告」が新ルール
台湾では2025年10月から、これまで機内や空港で記入していた「紙の入国カード」が廃止され、オンラインでの事前登録が必要になっています。台湾移民署が運営するTWAC(Taiwan Arrival Card)公式Webサイトから、渡航予定日の3日前から登録できます。
TWACのサイトは日本語にも対応しています。メールアドレスを入力すると認証コードが届き、そのコードを使って登録できます。入力項目は、パスポート情報、職業、連絡先、滞在先住所、渡航日程などです。
登録完了後、確認メールとともに入国カード番号が発行されます。この番号があれば、後から内容の修正も可能です。
このオンライン化によって、空港での記入ミスや記入漏れによるトラブルが減り、入国審査もスムーズになります。また、紙の使用が減ることで、環境への配慮にもつながります。
この新しい入国カードのオンライン登録が必要となるのは、居留証や外交IDを持たない外国籍旅行者で、台湾籍の方や居留証保持者は対象外です。家族やグループでの渡航の場合、代表者が最大16名分までまとめて登録できます。
万一登録を忘れた場合でも、空港でQRコードを読み取り現地で登録可能ですが、時間を要する場合があります。事前登録を済ませて、スムーズな旅のスタートを切りましょう。
■【2025年1月~】ホテルで歯ブラシがもらえない? アメニティ持参が新ルールに

台湾旅行を予定している方に、もう1つ重要なお知らせがあります。2025年1月1日から、台湾の宿泊施設では環境保護の取り組みの一環として、使い捨てアメニティグッズの無償提供が原則として終了となっています。
これまでホテルに用意されていた歯ブラシやカミソリなどは、今後、基本的に提供されません。
提供が終了した主なアメニティグッズは、歯ブラシ、歯磨き粉、カミソリ、シャワーキャップ、ヘアブラシ、綿棒、ボディスポンジ、使い捨てスリッパなどです。
宿泊施設によっては、これらをフロントで有料販売している場合もありますが、基本的には「持参」または「現地で購入」することになります。
なお、シャンプー、コンディショナー、ボディソープについては、多くの宿泊施設でボトルタイプが用意されています。また、使い捨てではないビニール製のスリッパが引き続き備え付けられているホテルもあります。
台湾政府は地球環境への負荷低減を目的にこの取り組みを推進し、観光客にも環境への配慮を呼びかけています。「歯ブラシがない!」と慌てなくて済むよう、旅の準備段階で普段使っている衛生用品をポーチやフリーザーバッグにまとめておくと安心です。
筆者は普段の旅行の際、マイ歯ブラシと歯磨き粉を持参するようにしていますが、台湾旅行時は歯ブラシを現地で調達することもあります。
普段はコンパクトサイズの歯ブラシを使っている筆者も、台湾滞在中はこの大きさと磨き心地を楽しむこともあります。
こうした現地ならではの楽しみ方もありますが、台湾を訪れる際は必要なアメニティグッズを持参するようにしてくださいね。
■検疫で必須! 「緑のカード」は日本からの入国でも必要

2025年にスタートしたルールではありませんが、もう1つ台湾旅行をする方にお伝えしておきたいことがあります。
台湾に到着した際、飛行機を降りてすぐのボーディングブリッジ付近で配布される「緑のカード」。これは、日本がアフリカ豚熱(ASF)非発生国であることを証明するための動物検疫識別カードです。
このカードを持っていない場合、空港内の検疫チェックで引き止められることがあるので、必ず受け取るようにしましょう。
機内でも「飛行機を降りたら緑のカードを取ってください」というアナウンスが流れますが、到着時の慌ただしさで聞き逃してしまうこともあります。筆者も台湾に到着した際にこのカードの存在を知らず、受け取らなかったことで、検疫エリアで足止めされたことがありました。
検疫エリアで「どこから来ましたか?」と尋ねられ、「日本です」と答えると「それなら通っていい」と放免されましたが、海外で急に行く手を阻まれたのには焦りました。こうした細かなルールには注意が必要だと実感し、それ以来降機時の機内アナウンスには耳を傾けるようになりました。
2025年10月1日現在、日本からの直行便で入国する場合は検疫検査の対象外ですが、識別カードの受け取りは必須です。
■旅の安心は空港から

台湾は美食や文化、自然が魅力的な旅先ですが、旅の安心は空港から始まります。新しい入国ルールや宿泊時のマナーを事前に確認しておくだけで、旅がより快適でスムーズになります。オンライン登録や歯ブラシなどの準備をしっかり済ませ、楽しい台湾の旅を!