老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、障害基礎年金を受け取っている人からの質問です。

■Q:障害等級1級の障害基礎年金を受給中です。年金事務所から特別支給の老齢厚生年金の案内が来ましたが、もらえないですよね?
「昭和38年2月生まれの女性です。生まれつき難聴のため障害等級1級の障害基礎年金を受給しています。現在はパートで働いていて、年収は200万円くらいです。あと2年で退職する予定です。最近、年金事務所から特別支給の老齢厚生年金の案内が届きました。障害年金をもらっている場合、これは受け取れないですよね? 何か手続きが必要なのでしょうか?」(ふうかさん)

■A:障害年金と老齢年金は、原則として同時に受け取ることはできず、有利な方を選ぶ仕組みです
日本の公的年金は、「老齢」「障害」「遺族」という目的ごとに分かれています。同じ種類の年金であれば、基礎年金と厚生年金をあわせて受け取れます。例えば「老齢基礎年金+老齢厚生年金」の組み合わせや、「障害基礎年金+障害厚生年金」の組み合わせなら併給できます。

しかし、「障害年金」と「老齢年金」のように異なる種類の年金は、原則としてどちらか一方を選ぶことになります。


ふうかさんは現在、障害等級1級の障害基礎年金を受給中で、まだ65歳前とのことです。そのため、特別支給の老齢厚生年金を受け取る場合は、障害基礎年金とどちらが有利かを比較し、どちらか一方を選ぶことになります。

一般的には、障害等級1級の障害基礎年金は手厚い給付水準のため、特別支給の老齢厚生年金より金額が多いケースも少なくありません。ただし、実際の老齢厚生年金額はこれまでの加入期間や報酬額によって大きく異なりますので、必ず確認が必要です。

なお、特別支給の老齢厚生年金は、受給開始年齢に到達したら請求手続きをしなければ支給されません。たとえ障害年金を選ぶ場合でも、年金事務所で試算してもらい、有利な方を確認したうえで手続きを進めると安心です。

65歳以降になると、年金の組み合わせが変わり、受け取れる選択肢が広がる場合もあります。そのため、65歳前後であらためて年金事務所に相談することをおすすめします。年金事務所から案内が届いた場合は、「受け取れない」と決めつけず、一度確認してみましょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

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