■65歳以上の年金生活者夫婦「211万円の壁」とは?
年金収入によって、税金を払わなくてよかったり、社会保険料も割安になったりする境界線があります。
65歳以上の年金生活者の「211万円の壁」とは、年金のみで生活している夫婦の世帯が、「住民税非課税世帯」に該当するかどうかの境界線になる収入額のことを指します(2026年8月現在)。住んでいる地域、夫婦・単身によって変わりますが、大都市の夫婦世帯の場合、世帯主の年金収入が211万円以下で、住民税非課税世帯に該当します。
なお、厚生労働省のモデル年金額では、厚生年金と国民年金を合計した平均年金額は約200万円です。65歳以上の世帯のうち39%が住民税非課税世帯だと推計されるため(厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」より)、211万円の壁は決して高い壁ではないといえそうです。
年金収入211万円と212万円の1万円の差で、世帯の税金と社会保険料を差し引いた手取り額は年間約7万円も変わります。211万円であれば、住民税と所得税がゼロになるのはもちろん、介護保険の保険料も安くなります。
また、医療費が多額にかかった場合に、一定の自己負担額で済む「高額療養費制度」がありますが、住民税非課税世帯では自己負担額が下がります。わずかな差で住民税非課税世帯に該当するのであれば、年金繰上げ受給なども検討していいでしょう。
■「壁」の金額は居住の地域により異なる
年金生活者が住民税非課税世帯に該当するかどうかの上限額は、住んでいる地域の「級地区分」により異なります。1級地から3級地までの区分があり、東京都23区などが1級地、地方が2級地・3級地です。
また、単身か夫婦世帯かなどでも異なってきます。自分の「壁」がいくらなのかは確認が必要です。
文:酒井 富士子(酒井 富士子プロフィール)
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
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