韓国BL『セマンティックエラー・ザ・ムービー』前編と後編が公開中!

物語は秀才で変わり者な完璧主義者の大学3年生チュ・サンウの通報で、図らずも、学校イチのカリスマで自由奔放なイケメン・モテ男のチャン・ジェヨンが大学の卒業を逃してしまったことから始まる。ジェヨンは仕返しとしてサンウにいたずらを仕掛けてまとわりつく。
コンピューターのプログラミングのように完璧に計算されたサンウの日常が、ジェヨンといることで徐々にエラーが生じて――。

全てが正反対でありながら惹かれ合う、主人公二人の吹き替えを務めた榎木淳弥さん(ジェヨン役)と増田俊樹さん(サンウ役)に、キャラクターの魅力やアフレコ時のエピソードなどを和気あいあいとした雰囲気の中で語っていただきました。
【榎木淳弥×増田俊樹】『セマエラ』共演で気づいたお互いの魅力と深まった絆

>>>榎木淳弥×増田俊樹 撮り下ろしカットを全部見る!(写真4点)

――榎木さん演じるジェヨンと、増田さん演じるサンウをどんな人物か一言で表すなら?

榎木 「小学生」だと思います(笑)。

増田 何だろう、難しいな。「デジタル」ですかね。

――演じられた役に共感できる部分はありましたか。


榎木 僕はけっこう難しいですね。ジェヨンは自信家でモテるのですが、僕は全然モテないですし……。

増田 またまたぁ(笑)。

榎木 否定待ちみたいな言い方になっちゃった(笑)。でも、そうですね……ジェヨンはすごく素直で、思ったことをパッと口に出せる人なのですが、僕もなるべく本音で人と話がしたいなと思っているので、そういう部分は共感ができますね。

――増田さんはいかがですか?

増田 僕は共感できるところがたくさんありました。
たとえば、サンウの「自分が決めたルーティンを必ず守る」というところはとても共感できます。彼はそのルーティンをこなすことで物事が上手くいく未来がちゃんと見えているんですよね。だから、自分のできることをやっていくという感覚なんだと思います。僕もサンウと同じで、できることは率先してやっていくタイプなんです。もちろん早起きといった、やりたくてもできないことは別ですが(笑)。

――それぞれの役を演じるにあたって、苦労されたことはありますか。


榎木 僕はやっぱり体格ですね。今回、声をあてるのが身体の大きな役者さんだったので、その身体に合った声を出すのが難しかったです。これは吹き替えだけでなく、アニメ作品での収録でも苦労するポイントです。

増田 僕はサンウに対して共感が強すぎた故に、「サンウはきっとこうするだろう」「何でこうしないんだろう」という自分の勝手な思いが大きくなりすぎてしまって。そこをしっかりと原音を聞いて、日本語吹き替え版『セマンティックエラー』を成立させるというのが、一番苦戦したところかもしれません。

――アフレコの時に印象的だったエピソードがあれば教えてください。


榎木 収録が終わって帰ろうとしたら、増田くんがわざわざエレベーターの前まで来てくれて、「差し入れ、持っていってください」って。

増田 僕が持ってきていたものがあったんです。

榎木 すごく律儀な人だなと思いました。

増田 だって残っていたらショックじゃないですか。いつも香盤表を見て、役者とスタッフさんの人数を確認して、スタッフさん側の差し入れは少し多めに、役者側の差し入れは人数ピッタリで置いておくので。余っていると「あれ?」って。


榎木 ちょうどロビーに柱があって、差し入れに気付いていなかったんです。だから、わざわざ持ってきてくれて「ありがとう」と思った記憶があります。

増田 いつも押し付けています(笑)。

榎木 いやいや、本当にありがたいよ。
【榎木淳弥×増田俊樹】『セマエラ』共演で気づいたお互いの魅力と深まった絆


――榎木さんから見た、増田さん演じるサンウの魅力を教えてください。

榎木 機械的に見えるのですが、自分の中のこだわりがとても強い方で、僕はそこが好きなんです。
僕自身は、自分の中の明確なルールとか無い人間で、割とふわふわしているタイプなので、サンウを見ているとすごく新鮮で。か弱そうな見た目ですが、実はとても意志が強いというところに魅力を感じます。

――そんなサンウを演じる増田さんはいかがでしたか。

榎木 増田くんもすごく考える人で、信念の強さも感じたので、そこがサンウと重なりました。

――では、増田さんから見た、榎木さん演じるジェヨンの魅力を教えてください。

増田 ジェヨンはオーラがあって、センスもあって、男がかっこいいと思う男です。それに加えて、彼の子供らしさを隠さないところも魅力的で。年を重ねる中で子供らしさは否定されて、大人にならざるを得ないってことがあると思うんですよ。でも、ジェヨンは自分のありのままでいるんです。その強さに憧れを感じますね。

――そんなジェヨンを演じる榎木さんはいかがでしたか。

増田 実は、榎木さんとはこれまで共演させていただく機会も少なく、プライベートでもご一緒することがなかったのですが、最近はこの『セマエランテックエラー』の取材で一緒にいる時間が増えて。その中で自分の生き様や理想の役者像、声優業界について、もっと広げると日本はこうあるべきだ、世界はこうしていくべきだ、という考えがしっかりある方なのかなと感じて。

榎木 本当に?

増田 はい。理想がある方なんだなと思いました。

榎木 たしかに理想はあるかもしれません。増田くんも理想があるタイプだよね。

増田 あります。億万長者になりたい!

榎木 彼はね、ちょけるんですよ(笑)。

――(笑)。全てが正反対のジェヨンとサンウですが、榎木さんと増田さんの間で「自分たちはこういうところが正反対だな」と感じるところはありますか?

増田 僕、12~13時間くらい寝るんですが。

榎木 めっちゃ長いね。夜は早いの?

増田 遅いです。

榎木 遅いんだ(笑)。

増田 僕は寝るのも遅くて、起きるのも遅いダメ人間なんですが(笑)、榎木さんはショートスリーパーっぽい印象があります。

榎木 あ、でもそうかもしれないですね。遅く寝て、早く起きることが多いです。

増田 ちゃんと起きられるのがすごい。

榎木 朝起きる時は、けっこうぐだぐだしているけどね(笑)。「起きるの、つらいな」と思うけど、「やりたいこともあるしな」と思って。

増田 僕とは正反対です、すごい!

――榎木さんは「正反対だな」と感じることはありますか。

榎木 増田くん、すごく痩せているなと思って。さっきチラッと聞こえたんだけど、節制しているんだよね?

増田 今していますね。

榎木 僕はそれができないんですよ、食べるのは我慢できなくて。

増田 僕は節制しないと、仕事に影響がでちゃいますから。

榎木 僕なんか、さっきも楽屋でお弁当とお菓子をたくさん食べちゃったし、そんな風にしっかり自分で節制できるのもひとつの才能だと思う。本当にすごいよ。
【榎木淳弥×増田俊樹】『セマエラ』共演で気づいたお互いの魅力と深まった絆

撮影/大山雅夫

▼榎木淳弥さん
Hair&Make-up fringe
Stylist 高山良昭

▼増田俊樹さん
Hair&Make-up 小野 かおり(emu Inc.)
Stylist MASAYA(PLY)