1982年にテレビ放送されたSFレスキューアニメ『科学救助隊テクノボイジャー』のDVD-BOXが、2014年8月27日にバンダイビジュアルより発売されることが決定した。
本作は数多くの実力派スタッフが結集した作品にもかかわらず、そのタイトルを知っている人は少ないかもしれない。
制作がいまから32年前になるのに加えて、テレビ再放送も少なく、しかも今回のDVD-BOXが日本語音声版では初の映像ソフト発売となるためだ。そもそも観たことがない。名前しか知らないという人が多い理由だ。

しかし、本作は80年代のSFアニメブームの熱気を十分に伝える傑作となっている。災害に立ち向かうヒーローたちというコンセプトに、しっかり描かれた人間ドラマ、多彩なメカニックとみどころが多い。
とりわけロボットアニメを代表する才能が多数参加していることが見逃せない。チーフディレクターは『超時空騎団サザンクロス』の長谷川康雄さん、『超時空要塞マクロス』の石黒昇さんが監修、さらに文芸担当に園田英樹さん、SF考証に鹿野司さん、メカニックデザインに青井邦夫さんといった具合だ。また、音楽の羽田健太郎さんも多くのファンの関心を惹くに違いない。

DVD-BOX化にあたっては、本編に加えて資料価値を徹底的に追及した。まず、初回放映ではテレビ放送されなかった第19話から第24話までの6話を収録する。当時の放送では見逃した人も多いに違いない。
また、放送前に制作されたパイロット版を復元した。
脚本を松崎健一さん、演出を原田益次さん、レイアウトを宇田川一彦さんと金田伊功さん、さらにメカニックデザインを宮武一貴さん、作画監督を岡迫亘弘さんというスタッフを見れば、見逃せない1本であることが判るだろう。
さらに最終回にあたる第24話「海王星の試練」のβ版を新たに発掘した。放送版と作画や効果音が異なるのが注目だ。

このほか放送告知CMやノンスーパーオープニング、エンディングも収録する。16ページの特製ブックレット、越智一さんお描き下ろしBOX、ジャケットもある。
価格は税抜き25000円、8月27日発売だ。発売に向けて、作品紹介の公式サイトもオープンした。

■ 「科学救助隊テクノボイジャー」制作スタッフからの応援メッセージ

園田英樹 (文芸担当)
「DVD-BOX発売、すごく嬉しいです。自分の青春時代が甦るようです。あのとき自分が生きていた証のような気さえします。頭のなかで
主題歌がリフレインしています。1982年の作品が、今見ても新鮮です。

僕にとっては初めて関わるテレビアニメシリーズだったので、特別な思いがありました。演劇畑から映像脚本の世界に飛び込み、いきなり大御所の脚本家のみなさんの仕事に触れることができて、すべてが勉強の毎日でした。企画から脚本作りに一から関わることができたのが最大の経験になりました。
放送前に、ホテルの火災事件が起きたのですが、その前夜までそのホテルに泊まってプロデューサーたちと企画会議をしていたのを覚えています。あと1日会議が伸びていたら、まさに僕たちも救助隊を待つことになっていたのかもしれません。さすがテクノボイジャーの企画者たちは、運良く難を逃れたのでした。これは本当の話です。当時の制作会社など、すべて無くなっていることを思うと、テクノボイジャーという作品があったということが、こういう形で残ることになったのは、すべてはファンのみなさんの熱い気持ちのおかげだと思っています。ありがとうございました。
テクノボイジャーがもしアニメで復活することになったら、ぜひ脚本を書かせていただきたいです。」

青井邦夫 (メカニックデザイン)
「本作は色々紆余曲折もあった作品ですが、日本では珍しいメカを中心としSF性を重視したアニメでした。個人的には商品化を念頭に置いたデザイン作業において超合金の神様である村上克司さんとご一緒にお仕事出来たことが深く印象に残っています。
石黒昇さんが手がけた「恐怖のSOS細胞」は、美樹本晴彦氏も参加していたのを覚えています。
是非この機会に改めてチェックしていただきたいです。」

■ 「科学救助隊テクノボイジャー」を愛する著名人からの応援メッセージ

麻宮騎亜 (漫画家。「彼女のカレラRS」を月刊コミックバーズで連載中。)
「人命救助を第一の目的として、多種多様のメカニックで遂行する若者の物語。時にお気に入りなのは、そのメカニックの個性とデザイン。
ある種、メカニックは登場人物よりも主役になりうるということを実証してくれたであろうテクノボイジャー。DVD-BOX化は、嬉しい以外の感想はないです!
当時学生で、放映前にアニメ誌に載ったそのメカニックの設定の数々に心躍らせました。このメカたちの活躍が毎週見れるのか!と。そして主題歌のかっこよさ。今でもよく聞きます。
発進シークエンスからもう燃え上がること必至のTBナンバーのメカ達!そして主題歌をまた目にできる幸せを共有しましょう!」

西村誠芳 (「機動新世紀ガンダムX」ではキャラクターデザインを担当。)
「基本は災害や人命救助、そして近未来を舞台にした故のSF的ギミックや災害シチュエーション。
本放送当時、惹かれていたのはそこでした。

好きなエピソードは「天駆けるエアポート」と「還ってきたスペースシップ」。前者はスケールの大きい災害シチュエーションとタイムリミットサスペンスが魅力的、後者は数十年ぶりに帰還した宇宙飛行士物語、そしてその幕の閉め方が大好きです。
それと羽田健太郎さんの手がける壮大な音楽もまた魅力の一つ!
やっとテクノボイジャーのメンバーに数十年ぶりに再会できる…

「科学救助隊テクノボイジャー DVD-BOX」公式サイト
http://www.bandaivisual.co.jp/TB_DVD-BOX/

発売日: 2014年8月27日
発売元: バンダイビジュアル  販売元: バンダイビジュアル
税抜価格: 25000円
スペック:カラー/(予)649分/(本編459分+映像特典190分)/ドルビーデジタル(モノラル)/片面2層×4枚/スタンダード

[スタッフ]
企画・プロデューサー: 池田公雄
チーフディレクター: 長谷川康雄
監修: 石黒昇
文芸担当: 園田英樹
SF考証: 鹿野司
キャラクターデザイン: 早田光茂
メカニックデザイン: 青井邦夫・石沢かずと
タイトルデザイン: 木村芳光・中村哲也
作画監督: 小泉謙三
美術監督: 天水勝
音楽ディレクター: 鈴木清司
音楽: 羽田健太郎
録音: 東北新社
音響ディレクター: 山田悦司
効果: 宮田音響
主題歌「テクノボイジャー」副主題歌「宇宙はひとつ」ハーリー木村
制作プロデューサー: 野村和史・佐藤光雄
制作: フジテレビ・じんプロダクション

[キャスト]
ヒダカ: 武岡淳一
キャサリン: 伊藤真奈美
エリック: 富山敬
サミー: 中尾隆聖
ハンセン: 青野武
ポール: 丸山裕子
ジェラード: 小林清志
ナレーション: 井上孝雄  ほか
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