Hondaが5月26日に正式発表した6代目STEP WGN(ステップ ワゴン)。そのターゲットはミニバン・ネイティブ世代、つまり生まれた時からミニバンがあった現在の30~40代の人たちなのだとか。
6代目STEP WGNはこんなクルマ

ゆみちぃ部長は、MINIとSUVが大好き。特にBEVなら言うことなしという女子であります。一方でミニバンに対して感度は低いどころか「イマドキ、ミニバンって必要なんですかね?」と存在そのものに疑問を抱く様子。というのも「核家族化が進んでいるうえに、少子化が進んでいるじゃないですか。だからミニバンってどうなのかな? と思うんですよ」と鋭く世相を斬ります。部員Kは、このネガティブ発言を打ち消すべく「子供がいて祖父母と一緒に旅行するときに便利じゃないですか」というのですが、独身貧乏Kは内心「夫婦と子供1~2人だけならSUVかセダンを選ぶよな」「というか、単身者がミニバンに乗ったところで何がわかるんだろう?」と思ったりも。まずはこんなスタンスから取材が始まりました。

今回のSTEP WGNはAIR、SPADA、SPADA Premium Lineと3つのグレードが用意されています。ざっくりいうと、AIRはプレーンなデザインとベーシックな装備、SPADAは豪華仕様でPremium Lineは最上位、という位置づけ。ですがAIRが廉価グレードというわけではなく、AIRとSPADAはスタイルや個性の違いで選ぶべき、といえそうです。

パワートレインは最高出力150PS/最大トルク20.7kgf・mのVTEC TURBOガソリン車と最高出力184PS/最大トルク32.1 kgf・mのハイブリッド「e:HEV」の2種類。


まずはSPADAからチェックをすることにしましょう。「なんか大きなクルマですね」というのがゆみちぃ部長の第一声。さすがに「これ、本当に運転するんですか?」とは言わなくなりましたが「実際は大きいんですが、パッと見た感じそれほど大きく見えないですね。威圧感みたいなものが少ないからかな」と、色々な角度からクルマをチェックします。



続いて室内をチェック。室内はブラック(ファブリック×プライムスムースレザー)で、シックな印象です。まずは2列目シートを観察するゆみちぃ部長。「めっちゃ豪華。テーブルもあって、まるで新幹線のグリーン車みたい!」と感嘆の声を挙げます。ワンハンドルでシートが前後だけでなく左右にも動くことにも驚きで、シートを後ろに下げると「めっちゃ広いですね。SUVとか比になりません」と大喜び。

3列目もチェックしましょう。「2列目シートの位置によりますが、3列目も広いですね。それにUSB端子とかもちゃんとある!」と快適そう。「地方公演などでマイクロバス移動があるのですが、人気がないのは一番後ろなんですよ。それは圧迫感とかそういったところなのですが、STEP WGNは2列目に比べれば見劣りしますが、普通のコンパクトカーくらいの快適さは得られていますね」とご満悦。


STEP WGNのすごさはこれだけにとどまりません。2列目と3列目のヘッドレストを取り外し、それぞれの背もたれを倒すとフラットになるのです! 「多少デコボコしていますが、寝れるじゃないですか!」というわけで、お待たせしました。ASCII.jp名物「フラットになったら寝っ転がりカット」の撮影となりました。

「これにカーテンがあったらマジで寝られますね!」とゆみちぃ部長。では寝てもらいましょう! ということで、純正オプションの「セパレートカーテン」(7700円)と「プライバシーシェード」(1万6500円)を取り付け、かつエアーマットレスを敷いてみましょう。


「ヤバい! これは家ですよ。ちゃんとしたベッドですよ」と、ゆみちぃ部長。「いくつか寝られるクルマを体験しましたが、一番広いかも!」だんだんミニバンの良さをわかってきたようです。
エンジンは小さいがパワフルに走る


エンジンフードを開けてみましょう。写真はSPADAのガソリンエンジン・FF仕様で、エンジンの小ささが印象的。「こんなに小さいんですか?」とゆみちぃ部長。


それではSPADAのガソリンエンジン・FF仕様を走らせてみましょう。「大きなクルマだなぁと思っていたんですが、見晴らしがいいためか運転しやすいですね。もちろん狭い道に入ったりすると、ちょっと大きいかな、とは思いますけれど、めちゃくちゃ大きいというわけでもないです」と、日本の道に合っていることを確認。



そのまま高速道路に乗って、運転支援もチェック。「おぉ! キッチリ働いていますね。これなら長距離運転もラクラクです」とニッコリ。「クルマの安定性が高いというのかな、そういうのは感じますね。

3列目に座ったゆみちぃ部長。「視界の見晴らしがいいですね。圧迫感が少ないんですよ。それに窓が大きいですから、景色が楽しめます。ガソリンエンジン車でも、運転席の人と十分しゃべれるほどの静粛性はありますね」とのこと。だんだんミニバンの魅力が伝わってきたかな?
e:HEVの最上位モデル「Premium Line」に試乗

続いて試乗車をSPADAのPremium Line(e:HEV)にチェンジ。「何が変わったんですか?」と、ゆみちぃ部長。「パワーユニットが違います」と部員K。「パワーユニットが変わるとプレミアムになるんですか?」と、ゆみちぃ部長。「いや……なんか外装と内装が違うらしいんですけれど」と、ここで部員Kの不勉強ぶりが露わになります。

主だった違いは、まずホイールがインチアップされています。それにともなってデザインが変わっています。

次に、車体のメッキ加飾部が、SPADAがダーククロームだったのに対して、より上質で大人の余裕を感じるプラチナクロームへと変更されています。


またハイビーム照射中に、先行者や対向車を検知すると、照射範囲を自動でコントロールするアダプティブドライビングビームを搭載しています。



室内はシートの素材がスエード調表皮とプライムスムース(合皮)の組み合わせになり、シックで上質になりました。実にプレミアムではありませんか! ですが「え? それだけですか?」と驚いた部長。「では、値段はどれくらい違うんですか?」ということで調べてみると、SPADA e:HEV(FF)が364万1000円、SPADA Premium Line e:HEV(FF)が384万6700円。ざっくり20万円違います。「20万円の価格差なら、最初からPremium Lineを選びますよね」とゆみちぃ部長。まったくもって仰る通りです。

ということで、SPADAのPremium Line(e:HEV)を試乗。「メッチャ静かになりましたよ」とパワーユニットの静粛性を実感。「振動も少ないですし、こっちの方がイイですね」とSPADA Premium Line e:HEV(FF)が気に入られたご様子。「内装はメインの部分が布かスエードか、の違いですよね?」と確認すると、「座っていると、あまり分からないかもですね」とのこと。

スッキリしたデザインの「AIR e:HEV」

そして最後はAIR e:HEV。「フロントフェイスが変わりましたね。こちらの方がスッキリしていて女性ウケはいいかもしれません」と、SPADAよりフェイスは好みのご様子。


インテリアはファブリックで明るいトーン。「こちらの方がいいなぁ」とポツリ。どうやら明るい内装が好みのようです。AIRは2列目などにUSB端子がなく、同伴のマネージャーさんから「このクルマ、充電できない!」とクレームが。またオットマンもないのですが、これは「あった方がいいけれど……」とゆみちぃ部長。そして「このお車の値段、おいくらなのですか?」と。こちらはe:HEV FF仕様で338万2500円。SPADAとの価格差はざっくり30万円。「30万円で、USBとオットマンがついてくるのか」と、お財布と装備で揺れ動く乙女心といったところです。

ということで試乗タイムです。「基本的にSPADAと変わらないようですね」とゆみちぃ部長。「STEP WGN全体に言えるのですが、クルマに守られているという感じがしますね。安心感といってもいいです。乗り心地もいいですし、静かだし、家族のクルマってこういうものなのかなと思いました」と、ミニバンに対する考えも変わった雰囲気。ゆみちぃがママちぃになった時、SUVではなくミニバンを選ぶかも、と思ったり。ちなみに選ぶならどれ? と尋ねたところ「AIRかな。色がイイですね」だそうです。

その一方、結婚の予定どころか見込みすらない部員Kは、「このクルマを家族の1台として使うのはもったいない」と感じた次第。たとえば今回のような取材のロケ車として使ったら、荷物はいっぱい載せられますし、なにより演者が快適です。さらに言えばひとりロケの時でも快適な車中泊ができそう。過去SUVの荷室や、軽キャンパーで車中泊をしましたが、ミニバンの車中泊は「翌朝の快適さが段違い」ですから。

試乗が終わり、とあるSUVに乗った時にゆみちぃ部長が思わず放った言葉を最後に書いて、この原稿を締めたいと思います。「狭っ! STEP WGNの3列目の方が広かったなぁ」。

■関連サイト
寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。また「カードファイト!! ヴァンガード」の大規模大会におけるアシスタント「VANGIRLS」としても活躍する。運転免許取得してから上京後は一切運転していないが、最近ペーパードライバーを脱出。こだわりが強く興味を抱くとのめりこむタイプであることから、お気に入りの1台を探す予定。