任意保険と燃料で9000円
前回(第339回「米軍車両ハンヴィーの気になる車両維持費、燃料代を除けば月1.5万円です」)、ハンヴィーの維持費は車検と税金、自賠責保険でだいたい年に18万円ぐらいと書きましたが、そのほかにもちろん燃料代と任意保険もかかります。


燃料タンクの容量は25ガロン。リットルに直すと94.6リットルも入るので最近の値上げがツラいです。
任意保険は年間6万円弱なので月5000円。燃料代を月4000円とすると合わせて9000円になります。
修理は思ったより少ない月1万円
それからちょいちょいある修理と、あとこれは自分の勝手な無駄遣いですがモディファイにもお金を持っていかれます。
これまでの修理は、シャフトブーツの交換に各部のシール交換、タンクのガスケット交換、パンク修理、オイル漏れ修理などなど。エンジンが冷えているときに作動するグロープラグのコントロールユニットが故障した時は、8本あるグロープラグも全部死んでしまったため、合わせて15万円ぐらいかかってしまいました。

エンジンオイルとクーラントが漏れた時には16万円、燃料ポンプの漏れは5万円、燃料タンクの燃料漏れも5万円と、あちこち漏れてはお金が出ていき、ボールジョイントやシール類の交換も毎回数万円の出費。ハブのがたつき修正にも12万円かかったりして、購入してから8年で100万円弱が消えていきました。
でもまあ、そう言っちゃうと高く聞こえますが、年に直せばおよそ12万円で、月なら1万円。修理にはもっとかかってるような気がしていたので、思ったよりは安く済んでいました。
タイヤ&ホイールは一撃80万円!
修理よりもっとお金がかかってるのがモディファイです。アンテナを追加したり無線機を積んだり、消火器を取り付けてみたり。
めっちゃ高かったのがタイヤとホイールで、4本でなんと80万円! 1セット20万円と聞いた時は4本1セットということかと思ったんですけど、タイヤとホイールのセットという意味でした。実際はその4倍です。


最初に付いていた初期型タイヤがもう限界で、溝の残りがほとんどなかったんですよね。振動もひどくて時速40kmぐらいからガクガクブルブル。ホイールバランスを取り直してもいまいち直らなかったので、ホイールが原因なのかもしれないと思い、ホイールも交換しました。タイヤに比べると安かったですし。
初期型のタイヤは外径が36インチでしたが、新しいタイヤは主流の37インチ。ホイールも、外側と内側を8本のボルトで固定している最初期型のホイールから、24本ボルトの最新型になりました。いろいろと装備が増えて重くなったハンヴィーを支えるため、ボルトを増やしてホイールの合わせを強力にし、空気圧を上げられるようになっています。
もうそろそろ再塗装の時期
さらに、もう塗装がヤバい感じです。作られてから35年も経ちますし、ウチにはガレージなんていうものはもちろんなくて雨ざらしなので、だいぶヤレてきてしまいました。


軍のオリジナルのままの屋根とリアハッチは、さすが軍用塗装という感じで全く問題ありません。ひどいのはドア。だいぶ前から塗装がところどころ剥がれて地の白い色が見えてしまっています。ドアと車体は後から再塗装されているようで、屋根に色を合わせて塗ったんだと思いますが、すっかり色褪せてしまいました。パターンも正確ではないし、いつか再塗装したいとずっと思っていたんですよね。
で、昨年車検に出すついでに一念発起してリペイントをお願いしました。
ただ、元の色は緑、茶、黒のNATO迷彩なんですけど、今時のハンヴィーの色であるタン1色に変更します。迷彩のまま塗り直すにはペンキが3色必要だし、塗り分けるため作業料が跳ね上がるし、正しいパターンを再現できるとも思えないので、3色は残念ながら断念です。
リペイントで問題なのは塗料の調達です。アメリカでは軍用車のレストア用の塗料が売られていて、色の名称もタンなら「Tan686(No.33446)」、NATO迷彩なら「Green383(No.34094)」、「Brown383(No.30051)」、「Black(No.37030)」のように、軍に合わせたものになっています。
再現度も高いので、ぜひそれを使いたいところなんですけど、ペンキの輸入は超大変。
きっちりやってもらって40万円
買えないとなると塗装工場に調色をお願いすることになるわけですけど、それには色を指定したり、サンプルとなる物に合わせてもらったりする必要があります。
ワタシの場合、色の指定をできる能力はないのでサンプル提出の一択なんですが、それにも若干問題が。

ハンヴィーに取り付けるタンカラーのアイテムは、アンチIEDアンテナや衛星アンテナのベースなどいくつか持っているんですけど、微妙に色味が異なるんですよね。ベースなんて日焼けしているのか、表と裏でも違いますし。
近いのはベースの裏側なのかな、それともアンテナかなと迷っていたところ、たまたまタンカラーの窓と窓枠を入手するという偶然が! 封印されたままの箱入り新品なので、これなら間違いありません。
というわけで、この窓枠の色を参考に調色してもらいました。全塗装にかかった費用は40万円。当初はもっと安く済ませようと思ってたんですよね。手で簡単に剥がせそうな部分だけ剥がしてもらい、あとはそのまま上から塗りつぶしてもらえばいいかなと。でもどうせやるならと考え直して、下地処理からしっかりやってもらいました。


これがけっこう大変で、ドアがケブラーか何かのアラミド繊維でできているせいかサーフェイサーが剥がれてしまい、何度もやり直したそうです。そのため時間もかなりかかってしまい半年近く待ちましたが、そのぶん完成した時のうれしさはひとしお。頭に描いていた通りのハンヴィーになりました。やっぱりきっちりやってもらって正解でした。
これからは出費が減ると願いたい
モディファイに掛かった費用を合計すると、無線機などに60万円、タイヤ&ホイールに80万円で、合計すると180万円。年22.5万円なので、月に直すとおよそ1.9万円になります。
つまりハンヴィーを購入してから掛けたお金の内訳は、車両の維持費が1.5万円、燃料と任意保険が9000円、修理が1万円、モディファイが1.9万円。結局、自分好みのハンヴィーに近づけるために使ったお金が一番多いっていう。
でも、もうモディファイしたいところはほぼ全て手を入れたし、タイヤ&ホイールと塗装という2大高額物件が完了しているので、今後はそれほどかからないと思います。ていうか、もうかけられません(笑)。
あちこち直したおかげで故障についてもだいぶ落ち着いてきた気がしますし、こちらも出費が減るんじゃないかと期待してます。
といいつつ、水温が上がると動作するファンクラッチの交換が待っているんですけども。
最後の修理になるといいのですが
水温がマニュアルの数値よりだいぶ低かったので車検の時にチェックしてもらったところ、水温センサーが壊れていました。メーターは正常ですが、信号がおかしいので、誤った数値が表示されていたそうです。

が、センサー交換後もまだ少し数値が低く、再チェックの結果、ファンクラッチが壊れていてファンが回りっぱなしになっていることがわかりました。この故障で特に問題なのは、エンジンスタート直後。一定の水温まで速く上がって欲しいのに、ブンブン回って冷やしまくってしまいます。
修理しようにもコロナのせいでパーツがいつ届くのかわからないので、とりあえずそのまま受け取りました。水温が上がらないうちはエンストを起こしやすいため、なるべく暖機をして、走り出して数分の間はアクセルをラフにオフにしないように気をつけます。
今は暑いのでそれほど神経質にならなくても大丈夫ですが、すぐに秋になり冬になってしまうので、パーツが届き次第交換してもらおうと思います。
これが最後の修理になるといいんですけどね。無理かな~。